活動休止したアンティック-珈琲店-のボーカル・mikuが新たに結成したのは、がっつりロックでとことんバンドなLc5。キャッチーかつソリッドなデビューシングル「Loveless」からして、タダモノではなさそうだ。
わかりやすさ、そこは一番に考えています
――Lc5として、欠かせないものは?
【Reo】 …緊張感。
【Aki】 そうかもね。ボーカルを頂点にしたピラミッド型のバンドではなくて、それぞれが一番を獲りにいく、それがLc5なんで――Satoさんなんかは、一見、柔和なイメージですけど。
【miku】 そのへんは、人それぞれ方法論がありますからね。Satoは、遠くから撃つタイプですよ。
【Sato】 静かに、出るところを狙ってます。
――スナイパー的な!?夢時さんとReoさんは、ツインギターならではの意識の持ち方があったりします?
【夢時】 俺ら、せめぎ合うより、高め合いたい2人というか。mikuが一番カッコよく見える状態だと、俺は最高の仕事をできてると思います。
【miku】 そういう俺も、各々一番になってもらいたいと思っているんで。そうであれば、バンドとしても一番カッコイイと思うので。
【Reo】 そうすると、必然的にバンド自体が底上げされますから。
――そういった温度は、デビューシングル「Loveless」でも存分に感じられます。とにかく、硬派でソリッドなロックだし、だけどメロディーはキャッチーだし、バンドキッズのど真ん中だろうなと。
【Aki】 わかりやすさ、そこは一番に考えています。
【夢時】 表題曲は特に、キャッチーなメロディーを基軸にしつつ、ソリッドなロック感が色濃く出ていると思います。
――加えて、女の子目線で失恋を綴る歌詞がリアルで驚きました。
【miku】 少女マンガのピュアな恋愛ストーリー、好きですからね。
【Aki】 俺とmikuは好きなものが近いんですけど、この歌詞はまさに理想通りというか。言うことなかったです。
――という歌詞や曲に、それぞれ呼ばれた部分もあったり?
【夢時】 哀しいフィーリングのあるアルペジオなんかは、まさにそうだと思います。反面、主人公の暗い部分のパワーは、Reoくんがパワフルな低音を効かせたギターで表現してくれたりして。
【Reo】 自然体でそうなったけど、結果、ウマいことなったよね。
【Sato】 ベースも、サビで主人公の感情が溢れ出すヒステリックなニュアンスとか、それまでモヤモヤしている様を描けたんで。
5人の息がピッタリ合った、5人が主役になれてる曲
――さらに、「Lc5〜love&clash〜」はミクスチャーな音像にテンションも上がるんですが…ラップ部分の作詞は夢時さんが?
【夢時】 そうなんです。作詞は、ほぼ初挑戦で。言葉を乗せるといつも以上に責任感が増すなと、痛感しました。
【Aki】 でも、俺が曲を書いたんで、最初は自分で適当にラップも入れてたんですけど…すごくカッコよくしてくれましたよ。
【Sato】 時間的にタイトななかで、スゴイとしか言いようがなかった。
【miku】 今まで人の後ろに立って歌うってなかったけど、この曲では“夢時いってやれよ!”って感じだし。テンション上がりますよ。
【Reo】 5人の息がピッタリ合った、5人が主役になれてる曲です。
――という理想的なスタートを切った今、何か誓いを立てるなら?
【夢時】 どうなろうと、俺は俺でいる。このまま死にたいんで。
【Reo】 初心を忘れずに、変わらずに変わり続けること、ですかね。
【Sato】 僕は、楽しむことです。
【miku】 大好きな音楽で、死ぬ気で遊びますよ。
【Aki】 今後も、どんどんいろんな人を巻き込みながら、ちゃんとバリアも張りつつ、5人が5人でいられるようにします。
(文:杉江優花)