Piano Collections Special Page - Masashi Hamauzu Official Website

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● ミラノに随行したアシスタント兼コーディネート兼子守り兼ショッピング担当スタッフUによるミラノ完全レポート!

Vol.5

Milano Report Vol.5

5月20日(ミラノ6日目)


IMGP3004.JPGDSCF6497.JPGクレモナ駅昨日、レコーディングが無事に終わり、最終日はゆっくりする時間ができました。
この日は、ミラノから電車で1時間ほどの行くとあるクレモナという町を訪れることにしました。レコーディングで通訳としてお手伝いしていただいたテノール歌手の福島さんが住んでいる町で、案内していただけることになったのです。
ミラノ中央駅から電車に乗り、黒田さんが久しぶりにお米も食べたいのでは?と作ってくださった美味しいおにぎりを食べながら、ちょっぴり遠足気分で出発です。
クレモナは、音楽の歴史が深い町でもあり、弦楽器製作者で有名なストラディバリが住んでいた町として知られています。楽器作りの学校もあり、世界中からここクレモナへ留学に来るそうです。

ここでは福島さんに色々なお話を聞きながら、大聖堂を見たり、時計台を登ったり、美味しいものを食べたり、買い物をしたり、写真を撮ったりと、一日ゆっくりイタリアを満喫する時間ができました。


IMGP3073.JPG時計台に登る…途中でバテてる浜渦。CDブックレットに使われている写真はこの途中で撮りました。IMGP3027.JPG時計台と大聖堂IMGP3011.JPG街を行進するブラスバンドIMGP3230.JPGIMGP3336.JPG



IMGP3216.JPG最後の夜の食事は、外でワインを飲みながら・・・
レストランでクレモナの名物など食べながらゆっくりしていると、帰りはミラノまでの終電電車の時間になってしまいました。途中教えてもらった乗り換え駅で来た電車に乗り換えると、言われた駅名は出てこないし、電車に人はほとんど乗っていないし、無人駅のような暗い駅ばかりに停車していくので、どどどどうしよう!?終電なのに間違えた??とかなり焦りました。
どうやら乗り換え駅で間違って特急ではなく各駅停車に乗ってしまったよう…とりあえず遅くはなるけど帰れるということで、一安心。
…のはずが、ホテルに近い駅で降りると、タクシー乗り場にある呼び出し専用電話が壊れている(イタリアでは駅前にタクシーが停車しているということがほとんどなく、電話で呼び出さないといけません)…人もほとんど歩いていないし…汗。帰れるのか…汗汗汗。
そこに一人のサラリーマン風の男性が通りかかったので、”Help me~!!”という具合に駆け寄って話しかけると、親切にも携帯からタクシーを呼んでくれました。ほっ、助かった・・・。そして無事帰路に着きました。まぁ、こんなハプニングこそ、旅の醍醐味ですよね!

翌日の最終日は、フライトが夜の便だったので、これははずせない!と、レオナルド・ダ・ヴィンチ作の『最後の晩餐』を観に行きました。様々な逸話が残されていて想像力をかき立てられる、あれだけの絵画にはさすがに圧倒されました。
それからお土産を買って、バタバタと飛行機に乗り込みました。私はよほど疲れていたのか、機内で食事も食べずに爆睡し、一度も起きることなく気付いたら日本に着いていました。えっ!?もう日本!?ってな感じです。

そんなこんなで、現地で黒田さんをはじめ、多くの方々にお世話になりながら、充実したレコーディングの旅を終えることができました。本当にありがとうございました!

終わり・・・
(つたない文章とノロノロ更新に最後までつきあってくださった皆さん、ありがとうございました!)


Vol.4

Milano Report Vol.4

5月19日(ミラノ5日目)


いよいよ、レコーディング最終日です。
予備日として、翌日の4日も空けていましたが、どうやらその必要はなく、3日間でレコーディングが終了する目処がつきました。午前中の残りの2曲を収録し、編集に入ります。

黒田さんの激しい演奏の躍動感をなんとか伝えたく、連写してみました。
IMGP2714.JPGIMGP2697.JPGIMGP2700.JPGIMGP2703.JPGIMGP2704.JPGIMGP2705.JPGIMGP2715.JPGIMGP2716.JPGIMGP2692.JPG


収録途中、黒田さんが「ん?なんか響きが変…?」と気になったことがありました。
ブースの何かに共鳴?と壁の高いところを皆でしげしげと見ています。
でもいつもと違うところはないはずで…ほどなく「弦を調整しましょう」ということになり、調律師でもあるエンジニアのミケーレさんがすぐに対応!さくさくっとチェックして、続行です。
IMGP2804.JPG「この音じゃない?」と黒田さんIMGP2809.JPGそこへエンジニアのミケーレさん登場IMGP2814.JPG調律中


IMGP2824.JPG普段と表情が違う・・・真剣!こうして、最終日も、滞りなく、無事に収録を終えました。

3日間ほぼ朝から晩まで鍵盤を叩き続けた黒田さんの指先は、爪が割れ少し血がにじんでしまっているところも・・・!素晴らしい演奏をしてくださり、レコーディングに関わった全てのスタッフが大満足の音源が出来上がりました。

さらにさらに、編集もすべて終わった最後に「サガ・フロンティア2」大人気のピアノCDの中から一曲、クロアキバージョンとして収録してくれました。
これは、FFXIIIピアコレと同日に発売される『Piano Pieces "SF2" Rhapsody on a Theme of SaGa FRONTIER 2』復刻版にボーナストラックとして収録されることになりました。とっても嬉しいプレゼントですね!

本当にお疲れさまでした!


DSCF6428.JPGこちらも・・・真剣!
おまけ

「子どもが終日ずっとスタジオの控え室にいるのも大変よね〜」ということで(それを言い訳に?)、私と浜渦の娘Ayaneちゃんは、収録を毎日数時間抜け出してはショッピングや観光も楽しんでいました(^^)





Vol.5につづく・・・

Vol.3

Milano Report Vol.3

5月18日(ミラノ4日目)


収録2日目。当初は2日かけて全曲収録したあとに、3日目を丸々一日編集にあてる予定でしたが、今日から編集も平行して進めることにしました。午前からお昼過ぎにかけて、この日も順調に3曲の収録が終わり、休憩を挟んで編集に入ります。

IMGP2870.JPG長い休憩だったので場所を変えてデザートも…どれも美味です。食べ過ぎ?ところで、こちらはさすがヨーロッパ。お昼休憩がとてものんびりしていて、毎日1時間半〜2時間前後が普通でした。しかも、みんなほぼ必ずといっていいほど、食事の後はそのままカフェやバールなどに行って、カウンターで立ったままエスプレッソやカプチーノをグイッ!と流し込むみたいです。だからそこら中にバールやカフェがあり1ユーロや2ユーロで美味しいカフェが飲めます。イタリアに住んでいると、本当にカフェとともにある人生、みたいな感じになりそうです(笑)。

さて、今回のピアコレはバラエティに富んでいながら、まとまりがある、と評判でした。
一つ曲の中で現代的な部分とバッハ的(黒田さん談)な部分が混在しながらも不自然な感じがない、なんて曲もありました。
17~18世紀の古いバロック音楽のコーラスで活躍中の福島さんも、そのベースラインに惚れてくれたのか、収録中にハミングで追ってらっしゃいました。それを後ろで聴いていた浜渦の娘さんが小さな声で「静かにしないとダメなんだよ、しーっ!」と一生懸命注意していたのがとてもかわいかったです(笑)。
そんなこんなで、収録2日目も無事終了!
今回のレコーディングは、全体的にとてもスムーズに進んでいきましたが、浜渦は終わるとやはり毎日ぐったりしていました。どんなレコーディングでも、ずっと音を追いかけて神経を張り巡らせているので、やはり疲れてしまうようです。作曲者、演奏者のお二人、本当にお疲れさまです!

  • IMGP2409.JPGコンソールルームからディレクションIMGP2485.JPGメモがたくさん書き込まれた譜面IMGP2410.JPGアシスタント・エンジニアのベッキさん

Vol.4につづく・・・

Vol.2

Milano Report Vol.2

5月17日(ミラノ3日目)

IMGP2215.JPG車内でリンゴをほおばる(それは朝食会場にあったやつでは…)IMGP2192.JPG落書きされ放題のミラノの国鉄^^;
今日からいよいよレコーディングが始まります!
トラム(市電)と国鉄を乗り継いで、スタジオまで向かいます。今回のレコーディングスタジオは、STUDIO FORZANIというところ。スタジオの所有者でもあり、調律師でもあるミケーレ・フォルツァーニさんが今回のエンジニアです。
スタジオのピアノも、音がとてもにいい!と浜渦も大満足。ピアニストの黒田さんもよく利用されているスタジオということで、非常にスムーズに収録が進みました。

収録の順番とCDの曲順は無関係なのですが、まず一発目の収録曲をなににしようか…と浜渦と黒田さんが相談。そして今回のピアコレ全体の雰囲気が掴みやすい、静けさと激しさが混在するアレンジの曲からスタートすることにしました。

どんな風に収録が進むかと言いますと、事前に浜渦がスコアとデモ音源を作って黒田さんに送っており、だいたいの方向性は決まっているので、収録前は軽く打ち合わせしながら部分的に練習するだけで、あっと言う間にいい感じにまとまっていきます。ですので、本番も「今のところもう一度だけ録りましょうか」「はい、素晴らしかったと思います。」とかそんな感じで、終始なごやかな雰囲気の中、サクサク収録は進んでいきました。
IMGP2476.JPGコンソールルーム IMGP2345.JPG収録スタジオIMGP2439.JPG収録前の打ち合わせ
IMGP2795.JPGエンジニアのミケーレさんIMGP2386.JPG弾き込まれているSteinwayのフルコンピアノ



今回は、イタリア語が全く話せない浜渦と私の代わりに、黒田さんのご友人で現地在住のテナー歌手の福島さんという方が、スタジオとコンソールルームの通訳でお手伝いしてくださいました。
IMGP2233.JPG福島さんと黒田さん。ランチは近くで手軽にイタリアン
レコーディングは編集も含め3日間の予定で、予備日に一日取っています。初日は5曲一気に収録。また夜遅くまで根つめてやるということもなく、夕方には終了しました。
といってもこちらはこの季節、夜9時や10時まで明るいので、外に出てもまだまだ昼間な気分です。
黒田さんは翌日の収録に備えすぐに帰りましたが、私たちは少し時間があったので、福島さんのご案内のもと、市街からバスに乗ってちょっと郊外へ行き、おススメの教会へ連れて行ってもらいました。時間が遅かったのかすでに閉館していましたが、外観や雰囲気だけでも素敵でした。ミラノは結構小さい街のようで、少し車で離れると、すぐに田園風景が広がっていました。

夕食は市街に戻り、アペリティーヴォというこちらの習慣を堪能。「アペリティーヴォ」とは元々「食前酒」という意味のようですが、なんとドリンク一杯注文で、おつまみビュッフェの食べ放題付きという、お得な「ハッピーアワー」という時間帯を多くのカフェやバールが提供しています。普通は夕食前に軽くお腹に入れるためのようなのですが、私たちはそれでしっかりお腹いっぱいになってしまいました(笑)。

  • IMGP2288.JPGIMGP2262.JPGIMGP2293.JPG

Vol.3につづく・・・

Vol.1

Milano Report Vol.1

IMGP1896.JPG
こんにちは、MONOMUSIKスタッフのUです。スタッフルームで連載していました『Piano Collections "FINAL FANTASY XIII"』の収録の日々をレポートする「ミラノ・レポート」を、ここ特設サイトから改めてお届けいたします!

ミラノの写真と文章から、レコーディングの空気感を感じてみてください。

5月15日(ミラノ1日目)

100515_1151~01.jpg空港でDiaryを書く浜渦(搭乗時間が来て途中で断念…)今回レコーディングの地にミラノが選ばれたのは、浜渦が絶大な信頼を寄せる現地在住のピアニスト、黒田亜樹さんに演奏をお願いしたためです。黒田さんはFFXのピアノコレクションズでも演奏されています。音も施設も素晴らしいレコーディングスタジオをご紹介していただきました。

出発当日、浜渦氏はほぼ寝ずに成田へやってきました。出発直前まで最後1曲の作曲、譜面作成と譜面印刷に追われていました。
そんな直前に譜面が出来て練習時間があまりないのに弾けるのだろうか!?なんて素人の私は思ってしまうのですが、プロのピアニストはやっぱり弾いてしまうんですね…。

私たち一行は、成田よりミラノへ向けて出発。今回は、音楽的体験と異文化体験をしてほしいという父としての願いもあり、黒田さんの教え子でもある浜渦の娘さんお一人も同行しました。

IMGP1765.JPGホテルの中庭
約13時間ほどのフライトでミラノに到着!
黒田さんはお忙しいのにも関わらず、コーディネートもしてくださり、私たちを迎え入れ周辺を色々案内してくださいました。
私たちの宿泊先は、ちょっと市街をはずれた閑静な川沿いにあるホテルで、お花や池がある中庭もあり、とても雰囲気のいいところ。約1週間の長期ステイにはちょうどいい施設でした。

初日は黒田さんのご自宅にて美味しいイタリアンをご馳走になりました。打ち合わせをしている間、黒田さんの息子さんと浜渦の娘さんがすぐに仲良くなり遊んでいました。お仕事で来ているのに、すっかり黒田さん宅に遊びに来たような感覚!?
時差ボケも懸念し、早めに切り上げます。

5月16日(ミラノ2日目)

この日は打ち合わせ及び準備日ということで、翌日からのレコーディングを控え、比較的ゆっくり過ごしました。
午前中に地元のオーケストラ、La VerdiのコンサートをAuditorium di Milanoにて鑑賞し、市街へ足を伸ばし少しだけ観光。
午後は、私たちが宿泊しているホテルのレストランにあるピアノをお借りし、黒田さん案による子ども達の即席ピアノコンサートをしました。
その後、黒田さんと浜渦はピアノを使いながら打ち合わせ。
明日からいよいよレコーディングが始まります!

IMGP1776.JPGイタリアと言えば、ワインにチーズにトマトです!IMGP1904.jpgAuditorium di MilanoIMGP1954.JPG市街の中心にあるDuomo
IMGP2131.JPGちびっ子コンサート♪IMGP2135.JPGさすがの黒田さんも、浜渦のピアニスト泣かせの譜面には苦労をされている様子…。

Vol.2につづく・・・