主神オーディンにより、魂の選定の任を与えられていたのは戦乙女シルメリアだった。任務に忠実であったシルメリアだったが、とある出来事の中でオーディンの強引な命令に疑問をもち、反抗してしまう。
その行動に危険を感じたオーディンは、急遽シルメリアを転生させ、次なる戦乙女を召還しようとする。しかし、戦乙女を転生させるための神の秘儀「王呼の秘法」は不完全な状態で発動してしまう。
そして、シルメリアの魂はディパン王女、アリーシャの中で覚醒する―――。
本来、人間に転生している間は覚醒することのない戦乙女の精神。主神であるオーディンが、シルメリアの覚醒を感知し制裁の手を下すであろうその日のため、幼い頃からアリーシャに語りかけてきた。
アリーシャは実の父であるディパン王・バルバロッサによって、ディパンよりはるか遠方の古城へと放遂され軟禁生活を余儀なくされるが、ついにシルメリアの覚醒はオーディンの知るところとなり、追跡の手はすぐ近くに迫っていた。
出会うはずの無い二つの魂。
そこに迫る神の制裁。
一人と一柱の、数奇な運命の歯車が回り始める―――。