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「ザ・コーヴ」舞台で反捕鯨団体と意見交換会

2010.11.2 11:04
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 日本のイルカ漁を批判した米映画「ザ・コーヴ」の舞台となった和歌山県太地町で2日、町側と環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」など反捕鯨団体との初の意見交換会が行われた。

 鯨類追い込み漁が解禁された今年9月ごろから、SSメンバーらが町内に滞在して抗議を続けるなかでの開催。町側は「科学的根拠に基づき、国の設定した枠内で漁を続ける」として反捕鯨団体との対話を拒んできたが、県内の民間団体がイルカ漁を考える機会をつくろうと双方に呼び掛け、実現した。

 意見交換会には、町側から三軒一高町長や三原勝利町会議長、町漁協幹部が、反捕鯨団体側からはSS幹部で米国人のスコット・ウェスト氏らが出席した。一方、「ザ・コーヴ」にも出演したイルカ保護活動家のリック・オバリー氏は「この集会は茶番劇」などとして急遽(きゅうきょ)、出席を取りやめた。

 主催者によると、AP通信など海外メディアも取材に駆け付け、小さな捕鯨の町に世界の注目が集まった。県警も不測の事態に備え、会場となった公民館周辺の警備態勢を増強した。

 追い込み漁は国際捕鯨委員会(IWC)の規制外で国の指導で県が許可している。シーズンは毎年9月から翌春までで、イルカ類とクジラ類合わせて計約2100頭の捕獲が認められている。

★米映画「ザ・コーヴ」

 題名は「入り江」の意味で、古式捕鯨発祥の地である和歌山県太地町が舞台。イルカの保護運動をしているリック・オバリー氏らが出演、漁師がイルカを入り江に追い込み、棒を突き刺して漁をする様子などを隠しカメラで撮影した。3月の米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞。日本での公開に当たり、抗議や街宣活動の予告を受けて一部の映画館が上映を中止した。


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