ニュースリリース / 2009年

ニュースリリース / 2009年

2,045キロリットル相当の原油使用量削減効果の見込み(*1)

植物由来素材の次世代型PETボトル 「プラントボトル™」

「爽健美茶」「爽健美茶 黒冴」「い・ろ・は・す」で導入

2009年12月17日

日本コカ・コーラ株式会社(本社;渋谷区渋谷、代表取締役社長;ダニエル・H・セイヤー)では、 2010年より、植物由来の素材を使用したPETボトル「プラントボトル™」を採用いたします。

「プラントボトル™」は、植物由来の素材を一部に使用した国内製造のPETボトルです。素材の一部を植物由来とすることで、非再生資源である石油への依存を低減し、かつ、今までと同様に既存のPETボトルリサイクル工場で100%リサイクルが可能です。

2010年の3月15日より、植物の恵みがつまったロングセラーブランド「爽健美茶」および 「爽健美茶 黒冴」に、続いて4月12日より、‘おいしい’と‘環境にいい’を両立させたミネラルウォーターブランド「い・ろ・は・す」に、それぞれ導入予定です。この3製品で、年間2,045キロリットル相当の原油使用量削減効果が見込まれます。ちなみに、この数値は、ガソリンに換算(*2)すると499キロ リットルとなり、燃費1リットルあたり10kmの自動車で、地球を125周できる計算となります(*3)。

*1)PET樹脂1トン当たりの原油量に、「爽健美茶」ブランドおよび小型水製品の2009年販売数量見込みを乗じて算出。植物由来素材の含有率は、平均16.5%で試算。 出典: 「石油化学製品のLCIデータ報告書<更新版>」(社)プラスチック処理促進協会・2009年3月)、 「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアルVer. 2.4 」(環境省 経済産業省・2009年3月) *2)出典: 新日本石油株式会社ホームページ「石油便覧 第41表 石油製品別生産得率の推移」
*3)地球1周を40,000kmとして試算→499,000リットルx10km÷40,000=約125周。出典: 宇宙航空研究開発機構ホームページ



左から;「爽健美茶 黒冴」「爽健美茶」の各500ml、「い・ろ・は・す」の520ml「プラントボトル™」


コカ・コーラシステムでは、飲料の製造・販売を通じてプラスの循環を生み出し、企業として 社会とともに持続的に成長していくことを目指す全世界共通の事業指針「Live Positively™ -世界をプラスにまわそう-」のもと、地球にも人にもやさしい「サスティナブル・パッケージ(持続可能な容器)」に取り組んでいます。その一環として、製品のライフサイクルの視点から、リデュース、リユース、リサイクルの3Rを推進し、特にリデュース(容器の軽量化)については業界に先駆けて1970年代から取り組んでいます。


日本での本年の主な取り組みとしては、2月に、2リットルのPETボトルとして国内最軽量(38g)を実現しながら、ラクに持ちやすく注ぎやすい「ecoるボトル ラク持ち」をミネラルウォーターに導入しています。続いて、5月には、当社水製品容器の従来比で約40%もの軽量化を実現した、国内最軽量12gの520mlのボトル「ecoるボトル しぼる」を採用しました(*1)

そして、2010年には、「サスティナブル・パッケージ(持続可能な容器)」に対する新たな取り組み として、植物由来素材を一部使用した次世代型PETボトル「プラントボトル™」を、「爽健美茶」 「爽健美茶 黒冴」、および
「い・ろ・は・す」の3製品で導入いたします。

「プラントボトル™」は、サトウキビから砂糖が精製される工程の副産物である糖蜜を、PET樹脂の構成成分に転換して使用しており、その際、糖蜜を最大で30%使用しています。

この「プラントボトル™」の導入により、年間で約2,045キロリットルの原油使用量削減効果が見込めます。また、「プラントボトル™」は、従来のPETボトルと形状、重量、強度の違いは全く無く、従来通り、お客様に安心して製品を飲用いただけるパッケージとなっています。


「プラントボトル™」は、世界的に展開が始まっており、現在、デンマークで炭酸飲料ブランドに 導入されているほか、カナダ西部では12月より、第21回オリンピック冬季競技大会(2010/バンクーバー)に向けて一部のブランドが「プラントボトル™」で登場します。また、1月より米国西部の数都市で炭酸飲料ブランドなどに導入され、また、2010年にはブラジル、メキシコに加え、中国の上海万博でも導入が予定されています。


コカ・コーラシステムでは、今後もパッケージ革新に取り組み、将来的には、100%植物由来の非食料バイオマス(*2)を原料とした、リサイクル可能なボトルをつくり出すことを目指していきます。

*1)2009年10月時点/国内製造品500mlPETボトル対象/2.0Lの各サイズPETボトル対象/日本コカ・コーラ社調べ
*2)再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの。


■「プラントボトル™」製造について

PET樹脂は2種類の素材からできています。1つは重量比でPETの30%を占めるモノエチレングリコール(MEG)、もう1つは残りの70%を占める精製テレフタル酸(PTA)です。現時点では、MEG素材を植物由来素材でつくり出すことが可能です。PET樹脂の製造開始時及び終了時に植物由来素材の含有量が変動するため、植物由来素材の混合率は最小5%から、最大30%となります。


■「プラントボトル™」導入予定パッケージ

・「爽健美茶」 ; 500mlPETボトル各種、350mlPETボトル
・「爽健美茶 黒冴」 ; 500mlPETボトル
・「い・ろ・は・す」 ; 520mlPETボトル、280mlPETボトル


■「爽健美茶」ブランド概要

ブレンド茶シェア60%以上を占めるNo.1ブランド(*1)で、中身にもハトムギや玄米などをはじめとする15の植物素材を使用しています。2009年、全国発売から15周年を迎え、今年1月には総出荷本数150億本(*2)を達成しました。「爽やかさ、健やかさ、美しさをもたらしてくれるブレンド茶」というコンセプトのもと、香ばしく、すっきりと飲みやすい味わいで、男女問わず幅広い層の方々に親しまれ、無糖茶の定番として愛されています。また、爽健美茶ブランドの第2の柱として2009年8月に導入した 「爽健美茶 黒冴」も男性を中心に大好評を博し、無糖茶新製品平均の約3倍の購入者数を獲得しました(*3)。今回の「プラントボトル™」の導入により、爽健美茶は、内側にも外側にも植物のチカラを得て、進化してまいります。

*1)日刊経済通信社調べ。2008年ブレンド茶カテゴリー販売量シェア。
*2)日本コカ・コーラ社調べ。発売後から2009年1月までの総出荷量容量を基に500ml PET換算した場合。
*3)発売後5週間の累計実績。日本コカ・コーラ社調べ


■「い・ろ・は・す」ブランド概要

2009年5月に新発売された‘おいしい’と‘環境にいい’の両立を実現したミネラルウォーターブランドで、8月下旬には、カテゴリー史上最速(推定)で1億本(520ml PETボトル)を突破し(*1)、続いて11月中旬に2億本を突破しました。また、導入翌月(6月)以降、ミネラルウォーター小型No.1製品となっています(*2)。「い・ろ・は・す」のパッケージには飲み終わった後に簡単にしぼって潰せる、国内最軽量12gのPETボトルを採用しており、当社従来水製品に比べた場合、520ml PETボトル2億本で、2,799キロリットル(*3)の 原油削減効果が見込まれます。環境に配慮しているブランドとして、消費者からも高い評価をいただいております。今回の「プラントボトル™」の採用により、環境問題への新しい取り組みを進めてまいります。

*1)出荷ベース、日本コカ・コーラ社調べ
*2)インテージMBI調べ。ボリュームベースシェア/手売りチャネル
*3)PET樹脂1トン当たりの原油量に、「爽健美茶」ブランドおよび小型水製品の2009年販売数量見込みを乗じて算出。植物由 来素材の含有率は、平均16.5%で試算。 出典: 「石油化学製品のLCIデータ報告書<更新版>」(社)プラスチック処理促進協会・2009年3月)、 「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアルVer. 2.4 」(環境省 経済産業省・2009年3月)