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112歳「時代についていかないと」…京丹後・木村さん

新聞毎日3時間

天眼鏡で新聞を読む木村さん

 全国の100歳以上の高齢者が今月15日時点で初めて4万人を突破することが11日、厚生労働省の発表で明らかになった。国会中継の視聴を欠かさない最高齢の男性、月に2回はゴルフコースに出るという元博多駅長。各地の100歳以上のお年寄りは、老後を元気いっぱいに楽しんでいた。

 「責任の重さみたいなのを痛感しとります。1日でも長く元気でおりたいですな」。国内の男性で最高齢の112歳の京都府京丹後市の木村次郎右衛門さんは、背筋をぴんと伸ばしながら、そう話した。

 1897年(明治30年)生まれで、近くの郵便局に約40年間勤めた。現在は、天眼鏡を手に新聞を隅から隅まで2、3時間かけて読むのが日課で、テレビで国会中継があれば必ずチャンネルを合わせる。「時代についていけないようではあきません」

 長男の嫁の泰子さん(80)と孫の嫁の栄子さん(56)の3人暮らし。盆や正月に子ども5人、孫14人、ひ孫25人、玄孫(やしゃご)9人が集まるが、今年6月に男性最高齢になってからは、訪問客が絶えないという。「大勢の方にほめていただいて天にも昇る気持ち」と笑顔を見せた。

 博多駅長を務めた元国鉄マン、福岡市城南区の井手干樹(たてき)さんも今年6月に100歳を迎えた。

 1909年(明治42年)生まれで、旧制中学を卒業後、国鉄に入り、54歳で退職。その前年の63年、現在の博多駅の駅舎が開業した初日に、「建物にふさわしい立派なサービスを」と駅員に訓示したのが思い出だ。

 今年6月、妻を亡くし、一人暮らし。趣味の一つは48歳で始めたゴルフで、今も月2回ほどコースに出て、18ホール回る。あるゴルフ場で、申込用紙の生年月日欄に昭和、大正はあったが、明治はなかった。「明治の人はもう来ません」と言われ、「ここに来とるじゃないか!」。従業員の驚いた顔を思い出すたび、100歳の現役ゴルファーは笑いがこみ上げるという。

2009年9月11日  読売新聞)
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