2009年8月 6日
【球界今昔物語】テレビ番組制作ディレクターで活躍中 福家雅明さん
ユニホームを脱いだ後、解説者に転身する球界人は多い。しかし、同じネット裏の仕事でもテレビ番組の制作に携わっているケースは珍しい。テレビ番組制作会社「WES(ウエス)」取締役社長という異色のキャリアを積んでいるのが阪神OBの福家雅明さん(50)だ。阪神キャンプを中継する「スカイA」、阪神戦中継の「Tigers-ai」の担当ディレクターとしてタイガースを追い続けている。
虎一筋、ネット裏から全力投球
現役を引退した翌年の1990年、チームの大先輩で、現球団本部付部長の上田二朗さんの口利きもあって、テレビ番組制作会社「大阪東通」に入社した福家さん。グラウンドとはまったく違う世界に戸惑いながら制作技術などを猛勉強。
その後、2006年から新しく設立された「WES」で、阪神中心の番組づくりに全力投球している。ところが、今年の春季キャンプ直後、いまの会社に誘ってくれた恩人でもある社長が交通事故で急死。思いもよらない悲報に頭の中が真っ白になったという。
「ショックでした。前日まで電話でしゃべっていましたからね。それまでは社長が引き受けてきた仕事をこなすだけでよかったんですけど。社員のこととか、会社をどう切り盛りしていけばいいのか、とにかくはじめてのことばかりで、大変でした」と福家さん。
いまも3人のスタッフとともに、多忙な日々が続いているが、引退後も子供のころからあこがれていたプロ野球の世界で、第二の人生を送れることに喜びを感じている。
「OBのひとりとして、阪神の仕事ができるのはうれしいです。かつてチームメートだった首脳陣も多いし、選手たちといっしょにいると、現役に戻ったような気がします」
そう話す福家さんは試合中、データをもとにベンチの作戦を読んでいるという。たとえばこの場面はエンドラン、ここはバント…。また打たれたら捕手、チャンスで凡退したら落胆する監督など、常に次のシーンを想定してカメラマンに的確に指示。さらに守備シフト、バックアップといった選手の動きもフォローしている。このあたりはプロ野球OBディレクターならではのこだわりだろう。
「あまり気づかれない選手の動きを取り上げるように心がけています。選手は常に考えてプレーしていますからね。これからもそういう中継を続けていきたい」。マイクではなく、画像を通した解説者として阪神選手のプレーをチェックしているわけだ。
星野監督2年目の2003年、リーグ優勝祝勝会を中継した福家さん。その席で「おまえもかけたるわ」と頭からビールを浴びせられた当時の岡田コーチとの「今度は監督になって僕にビールをかけさせてください」という約束が実現し、2年後に再び優勝の美酒に酔った。
「2度もリーグ優勝の喜びを味わわせてもらって、こんなにうれしいことはありません。あとは日本一ですね。できれば甲子園で真弓監督の胴上げを中継したい」。福家ディレクターの目が輝いた。
(西井禎一)
【写真説明】阪神戦中継の担当ディレクターとして活躍している福家さん
ふくや・まさあき 1959年4月10日生まれ。兵庫県出身。天理高のエースとして76年から3季連続で甲子園出場。77年春は準々決勝まで進んだが、山沖之彦投手(オリックス)を擁する中村高に敗退。三菱自動車に入社後、主にリリーフとして活躍し、通算20勝をマーク。82年、ドラフト4位で阪神に入団。速球と口ひげが売り物だったが、近鉄にトレード移籍した89年オフに現役引退。通算成績は95試合登板、0勝5敗、防御率5.50。
(2009年8月 6日 13:42)
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