■ 愛子さま、初めてのお正月


皇太子ご夫妻のお子さまのお名前と称号を発表する宮内庁の岡弘文総務課長=7日午前、宮内庁(代表撮影)

(12/7)お名前は「敬宮愛子さま」・命名の儀

 1日に誕生した皇太子ご夫妻のお子さまに天皇陛下が名前を授けられる「命名の儀」が7日午前、東京・元赤坂の東宮御所などで行われ、称号(宮号)は「敬宮(としのみや)」に、お名前は「愛子(あいこ)」に決まった。お名前、称号の出典は中国の古典で四書の一つ「孟子」で、離婁章句下(りろうしょうくのげ)にある「仁者愛人、有礼者敬人。愛人者、人恒愛之、敬人者、人恒敬之」にちなんだという。一方、敬宮さまのお印は「ゴヨウツツジ(五葉つつじ、別名シロヤシオ)」に決まった。

 雅子さまと愛子さまの経過は順調で、母子ともに早ければ8日にも退院できる見込み。

 名前と称号は実質的には皇太子ご夫妻が選ばれ、事前に内定していた。ご夫妻は十分な時間をかけて相談し、国文学者らが用意したいくつかの候補の中から、陛下に伝える候補を決められたという。陛下もご夫妻の意向を尊重された。

 天皇陛下の使者である渡辺允侍従長は午前10時半ごろ、名前と称号を記した「名記(めいき)」を東宮御所に持参。三つ折りの大高檀紙(おおたかだんし=和紙)の一枚に名前、もう一枚に称号が書かれた名記は、古川清東宮大夫に手渡された後、皇太子さまがご覧になった。この後、名記は東宮女官によって宮内庁病院に運ばれ、雅子さまがご覧になった後、お子さまのまくら元に置かれた。名記が東宮御所に届けられるのとほぼ同時に、皇居内の宮中三殿でもお子さまの誕生と命名を伝える「賢所皇霊殿神殿に誕生命名奉告の儀」が行われた。

 命名が終了したのを受け、湯浅利夫宮内庁長官が8日にも、お子さまの名前を皇族の戸籍にあたる皇統譜に記載する。命名の儀に先立つ午前9時、皇居内の宮内庁病院で「浴湯の儀」が行われた。新調のたらいを置いた部屋に入られたお子さまに向かって、日本書紀の巻第二十二、推古天皇の一節を読み上げた後、矢のない弓の弦を鳴らす「読書鳴弦(とくしょめいげん)」を行い、お子さまの文運と健やかな成長を祈った。

 天皇家のお子さまの名前は古典にちなんでつけられる。皇太子さまは「徳仁(なるひと)」で、称号は「浩宮(ひろのみや)」だった。愛子さまの叔母にあたる紀宮さまは「清子(さやこ)」。


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