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2009 | 01 |
2009-01-31
過去の自分を否定するのはイージーでとても楽しい
TIPS | |
最も容易かつ低リスクで、自分の成長を実感することができるから。
- 過去の自分の主張の欠陥を指摘できるのは、それだけ見識が深まったから、成長したからと言える
- 何もかも異なる他人と自分を一概に優劣つけるのは難しいけれど、差分の少ない自分どうしを比較するのは容易
- 自分が相手ならどう文句を言おうと反論の心配はなく、ノーリスク
- 過去の振る舞いを反省する謙虚な自分が演出できる
過去の自分の記事を再読したらあまりにものあほらしかったので呆れてぼろくそに批判的なコメントをつけたんですが、もしこれが他人の記事だったらそんなけちょんけちょん言わないのになーと思い。過去の自分とはいい踏み台であり、悪意を向けて憂さ晴らしするにはかっこうの生け贄なのかなと思いました。
そういうことして喜ぶ精神性はいかがなものか、という気もしますが、特に目新しくもない無難な反論をここに並べても記事が長くなるだけだし主旨から逸れるので、「続きはブコメで」*1。
2009-01-29
「終末」なき「終末観」 - 北山猛邦『クロック城殺人事件』
物理の北山と言うだけあって、最大の見せ場となるところの物理トリックはさすがという感じ。ただその発想の面白さに対して、読者の感じる意外性を有効に引き出せていない構図になっていたのがちょっと残念です。
「あれを使ってこのようにする」の「あれを使って」の部分はわりと簡単に予想できるんですが、このトリックの目玉は「このようにする」の部分の発想。ただ読者としては、一度「あれを使うんだな」ということに気づいてしまうと、それを反駁するような要因が作中に提示されていない以上、その先の「このように使う」の部分にまで思考を働かせる必然性が薄い構成になってしまっているのです。
最終的にトリックが明かされるところで、「このように使う」の部分に驚かされます。でも大筋の「あれを使って」の部分が既に予想済みで、その中の微妙にもっと細かいスケールに焦点が合わされているのを目にすると、ちょっとが論点がずれたような感想を持ってしまうこともないではありません。「途中まで分かってたのに」とあんまり意味のない負け惜しみを感じさせちゃいやすいんですね。
「どのように」の部分に読者の思考を引きつける誘導とか、"魅せ方"の部分がもうちょっとこなれていればよかったんだろうなー、と思います。同様のトリックでも、読者にどこを論点とを認識させるかで面白さが全然変わってくることはあります。ミステリーとしては扱いの難しいファンタジックな世界観も含めて、後の作品ではこの辺の扱いが上手くなってくれていればいいなと思いました。
世界観と言えば、独特な終末観が何とも言えず。「もうすぐ世界が終わる」という状況が、ひたすら「もうすぐ世界が終わる」という言葉によってのみ表現されていて、その内容が具体的に描写されることはありません。太陽黒点の影響による強力な磁気嵐で世界中の機械がが狂ったみたいな設定が一応ありますが、社会システムが崩壊した程度で人はまだまだ生きています。それが容易く「世界の終わり」に直結する感覚に「楽観的ペシミズム」という造語を思いついたり。
だから、北山さんが表現しようとしているのはあくまで「終末観」であって、「現象」としての「世界の終わり」そのものではないんだろうなと思います。たとえばもしこれが「太陽フレアによって地表が燃え尽きる」とかだったら、それこそ事態は世界の終わりという「現象」に直結する問題になります。そこをあえて磁気嵐程度の異常に留めておくことで、具体的な滅亡の過程には触れないまま「終末観」だけに焦点を合わせることができていたのかなと思います。
ただ、その感覚が読者としての自分の頭の中にスムースに接続してくれなかったというところもあり。この辺の描写や上述したミステリー的な問題も含めて、これを書いた時点の北山さんが今後の成長の期待できる非常な若手だったことは幸福なことだったんだろうなーと思いました。
2009-01-28
魔王反省会
∇ | |
怒られました。これは私ごめんなさいするべきです。*1ごめんなさい。
事情はリンク先にある通りです。既に一度ならず拒否の表明は受けていたのに、さらにものを勧めるというのはやり過ぎだったかと思います。表明を受けた後に出た近作がさらに見違えるものになっていたため、それでもあえて一押ししたいという思いはありましたが、それにしても何か別の言いようがあったでしょう。あまりにもはしゃぎすぎておりました。目の前にニンジンをくくりつけられて興奮する馬のごとき見境のない振る舞いでした。
特に『ハローサマー、グッドバイ』の件は、これはちょっとストレートに怒られても仕方なかったろうと思います。私がどれだけその作品に入れ込んでいるにせよ*2、その感覚は他人である練炭さんには無関係です。相手の大事にしているものを引き合いに出してダシにするような、これはとても下品なやり口だったと思います。反省しています。
しかも、ものはノベルゲームです。一冊きりのご本を勧めるのと違い、現在発表されている前半分だけでも読破には数十時間を要するでしょう。容易ならざる負担です。その結果が練炭さんの満足いくものならいいのですが、もしそうでなかったら、これはもう私の方でなんらかの責任を取らなければなりません。
といって、消費した時間を返すことはどうやってもできないので、これはもともと責任の取りようのない問題であります。ですからその場合、私はせめてそれに代わる罰を受けるべきです。私が練炭さんの時間を奪ってしまったのなら、それに見合う時間が私からも奪われるべきです。時間には時間をです。
折よくというべきでしょうか。リンク先の記事では、長い長いという嘆きと共に何冊もの京極夏彦作品がずらーと言及されています。私が罰を負うとしたら、たとえばここに挙げられたような京極さん作品を片っ端からべりべり読んでいくという形が挙げられるのではないでしょうか。「京極堂シリーズ」は『狂骨の夢』までの三冊が既読で、残りはまったくの未読です。続きの『鉄鼠の檻』から順番に『絡新婦の理』、『塗仏の宴』×2、『陰摩羅鬼の瑕』『邪魅の雫』と読破すれば、おそらく練炭さんが当面で読まれる文字数を越えるくらいにはなると思います。
感情的なフィルタをできるだけ廃して分析しても、問題の作品が非常に特異な偏りを意図してデザインされた作品であることは断言できます。平凡だとか、単純につまらないという感想は出てこないだろうという自信はあります。でも問題は、その偏りが練炭さんの嗜好に合致する偏りであるかどうかという点にこそあります。そうであることを本当に心から祈っていますが、もしそうならなかったなら、私は京極堂なりカラマーゾフなり指定されたものに頭を漬け込んで相当期間ラリパッパするなどのつけの払い方を考える所存です。
2009-01-25
pixivの文芸版のようなサービスはありますか。 - 人力検索で質問しました
TIPS | |
で質問した内容の補足説明です。
pixivのような感じで、絵の代わりに文章を投稿できるサービスを探しています。長い小説だけでなく、短い作品がいっぱい投稿できるような場を想定しています。下記の「参考」でリンクしたように「はてなハイク」のキーワードページがイメージに近いのですが、さらに各投稿にタグづけして分類できる機能が欲しいと思っています。
※「ないから俺がやる」という同好の方には1000ポイント〜差し上げます。*1
具体的には、次のような条件を満たすサービスを探しています。
できるだけ必須
- ひとつの文章をひとつの作品として投稿することができる
- 必ずしも小説形式に限らず、小話、構想、一発アイデアなども作品として投稿できる
- 作品ごとに、閲覧者のタグ付けによって分類することができる
- 閲覧者が作品ごとに評価ポイントをつけることができる(はてなスター的なものでも)
あれば嬉しい
- ブックマーク機能がある(グループ分けなどで整理できるとなおよい)
- 評価の高い作品のランキングが表示される
- 最近投稿された作品のサムネイル(、は文章では無理だから、冒頭や概要などそれに代わるもの)がトップページ、マイページに表示される
その他
pixivの機能とは異なりますが、次のような条件も満たしていると嬉しいです。
- 作品の閲覧がサービス登録者に限定されておらず、外部に公開されている
- Twitterやはてなハイクのように、少ないページ遷移で複数の投稿が読める
- あるいはSNSのようなものでなく、登録した外部サイトの作品更新情報を収集するような形式でもよいです
例
- dNoVeLs http://www.dnovels.net/
タグ付け機能、評価機能があります。
ただしシリーズ単位で小説連載することを前提としたシステムになっていて、ひとつひとつの投稿はシリーズ内の「第X話」という扱いになっています。そのためタグや評価はシリーズ全体に対してしかつけられないのが今回私の考えている基準ではマイナスです。下記の「参考」のようにもっと断片的な作品を集積できるような機能が欲しいので、各作品ごとにタグ付け・評価できない点を物足りなく感じます。
参考
次のような感じの作品が投稿できる場を想定しています。
*1:ブックマークコメントで指摘もらったので文面やや修正。
∇このサイトはものすごくリンクフリーです。
∇
trivial 2009/01/28 22:06 いや、別に怒っているわけではありませんよ。私自身、ほとんど名指しのような仕方で他人に何かを薦めるということはよくありますし。それに、「うみねこ」をプレイすると決めたのは私自身ですから、そのせいでいかに時間を無駄に費やしたとしても自己責任というものです。また、仮にそうでないとしても私の時間を他人の時間で埋め合わせることはできません。さらに言えば、正直言って『狂骨の夢』まで読んでやめたのなら、続きを読んで楽しめる確率は非常に低いと思います。『カラマーゾフの兄弟』はどうかは知りませんが。
「うみねこ」がどうこうというまではなく、今の私はパソコンのディスプレィで文字が出たり消えたりするのを追うのがしんどくて、10分か20分くらいで目が痛くなってくるので、なかなか一気にプレイすることはできませんが、毎日ぼちぼちと少しずつ読んでいくつもりではいます。
Erlkonig 2009/01/28 23:29 あーなんかめんどくさい反応しちゃってすみません。こうやって記事にすると文面が大袈裟に振れちゃうので、個人的に直接メールとかで言うべき話題だったかもです。京極どうするかはともかく、せっかく紹介してもらった『ハローサマー、グッドバイ』をああいう使い方したことと、PC不調なところにさらに無茶降りしたというのは反省しています。(すみません、PCの件も以前お聞きしてたのに失念していました) もしお近くにお住まいなら余ってる古ノートPC抱えて押し掛けたいところです。(また迷惑がられそうですが) あれこれ言ってますが練炭さんが読み始められたことはとても喜ばしく思っているので、後はどうかお気にそうものであることを本気でお祈りします。
trivial 2009/01/29 21:21 PC不調というのはキーボードのことですね。「うみねこ」はマウスだけで操作できるので支障ありません。それに、今は外付けキーボードを使っているので、クリアできています。
Erlkonig 2009/01/29 23:38 あやや。「ディスプレィで文字が出たり消えたり」というのをPC不調の症状だと誤読してました。たしかに出たり消えたりしますね……。