本日は晴れ。寝過ごしてしまい8時に起床。暑い。6時くらいに起きて洗濯(ひそかな愉しみ)をする予定だったのですが、取りあえず冷やしトマトを食べミネラルウォーターを飲み、すぐに外出しました。眼科の予約が入れてある日なのです。
外に出ると昨日よりは若干涼しい感じ。ぶらぶら歩いて病院へ行きました。
診察の結果、角膜の傷は完全に塞がったそうです。しかしながら多少、濁りが残ってしまいました。
これはまあ取れないそうなのですが、視力には影響ないし、見た目にもわかりません。場合によってはかなり大変なことになっていたそうなので、この位で済んで助かりました。先生ありがとうございます。感謝です。サンキューです。百万回の投げキッスです(笑)
眼科の先生がきれいな方なので、ちょっと名残り惜しい気もしますが、(おいおい)まあ、よかったですね。
すでに右耳半分が駄目なので、さらに片目不自由になったらたまりません。左足だって冬になったらやや引きずるのですからね。もうボロボロですよ(笑)
薬局へ行き、タドコロ薬剤師さんと雑談。なんかあちこちの病院と薬局で雑談ばかりしています。閑なんですね(笑)
朝食を食べ損ねたので駅前の「BECK`S」でBLTサンドを食べる。まだ11時前なので、洗濯をしに帰ろうかどうか迷ったのですが、ちょっと電車に乗って出かけてみることにしました。
それで、なんとはなしに横浜へ出て、「HMV」を見たり本屋を見て歩いているうちにお昼になり、ジョイナス地下の中華料理屋「過門香」でランチを食べる。鱧の揚げものと焼き茄子の野菜香味ソースがけ、点心二品(普通のシウマイと海老シウマイ)とザーサイと中華コーンスープにごはんを頂きました。お皿をじゃかじゃか並べるのって大好きです。(あくまでも自分が片付けないという前提ですが)
それにしても鱧って言うと何か関西のイメージで、谷崎潤一郎を連想します。「吉兆」から毎日のように弁当を取り寄せていたそうです。奴も食いしん坊だな(笑)日本文学界一の食いしん坊はまあ吉田健一なんですけどね。
それで電車の中で先日、購入した「世界童謡集」(西条八十、水谷まさる訳)をずっと読んでいたのですが、これがとても面白い。特に「マザーグース」がすごく面白い。この本には主に西欧の童謡が収録されているのですが、「マザーグース」というのは主にイギリス伝承の童謡です。イギリスの詩ってつまらないのが多いのですが、童謡は面白いです。たとえばこんなの。
「鍛冶屋の犬」
ばう わう わう!
おまえはどこの犬?
鍛冶屋のトムの犬
ばう わう わう!
ええ~と、これだけです(笑)多分、原文には音韻的なリズムがあるのだと思います。他にはこんなの、
「てんとう虫」
てんとう虫よ てんとう虫よ。
飛んでお家にお帰りな
お家は火事だよ丸焼けだ。
子供はみんな逃げ出して
残ったアンは菓子鍋の
下へのこのこ這いこんだ
何のメタファーでしょうか(笑)家が火事で丸焼けなのに歌をうたっていていいのでしょうか?いいんです。「マザーグース」はペローの童話並に残酷な部分があります。グリム童話の赤ずきんちゃんは最後に救出されますが、ペローの赤ずきんちゃんは狼に食べられておしまいです。それも服を脱いで狼の待つベッドに入るというあからさまな性的暗示もあります。「マザーグース」って鵞鳥母さんって意味だからペローの童話の副題の鵞鳥のおばさんと関係ありますね。英米文学科の方教えてください。ぼくはロシアなんで(笑)
さてさて上のようなものばかりかと思えばこんなのもあります。ちょっと長いのですが。
「駒鳥の死」
だれが駒鳥を殺したの?
「そりゃわたしが」と雀がいった。
「わたしの弓と矢でもって
その駒鳥を殺したよ」
だれが死骸を見つけたの?
「そりゃわたしが」と蠅がいった。
「わたしの小さい眼でもって
その死骸をば見つけたよ」
だれが経帷子縫ってやるの?
「そりゃわたしが」と甲虫がいった。
「わたしの糸と縫い針で
経帷子を縫ってやろう」
だれが墓穴を掘ってやるの?
「そりゃわたしが」と梟がいった。
「わたしの鋤と鍬でもって
その墓穴を掘ってやろう」
だれが葬式をだしてやるの?
「そりゃわたしが」と鳩がいった。
「まことにかわいそでならぬゆえ
わたしが葬式をだしてやろう」
だれが坊さんになってやるの?
「そりゃわたしが」と烏がいった。
「小さいお経の本を読んで
わたしが坊さんになってやろう」
だれが墓穴に運んでいくの?
「そりゃわたしが」と鷹がいった。
「夜運ぶのでないのなら
わたしが墓穴に運んでやろう」
だれが鐘をば鳴らしてやるの?
「そりゃわたしが」と牡牛がいった。
「ひっぱることができるから
わたしが鐘を鳴らしてやろう」
お空の鳥はみんなして
溜息ついて泣いたとさ。
このかわいそな駒鳥の
葬式鐘を聞いた時。
これはすごいですね。ちょっと尋常じゃない感じがします。読んでいる途中に気づいたのですが谷川俊太郎が「ジョン・レノンへの悲歌」という詩の中で、この童謡のかえうたをやってますね。興味ある方は読み比べてみて下さい。角川文庫の「朝のかたち」に収録されています。
まあ、そんなことをやっていたら家に帰るのが遅くなってしまいました。これから素麺を茹でます。
画像は深いつながりはないのですが、へんな感覚つながりということで(笑)ヘルマン・セリエントという人の絵です。
追記:8月8日:原典を確認したところ上の「駒鳥の死」は抄訳であることがわかりました。念のため書き添えておきます。
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