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わかば対談。 2007.12.19更新

Vol.4 はじめての、こにしやすはる。

はじめての、小西康陽。

小西康陽 × けいすけくん


  • 作曲は、作りたい/訴えたい何かがなければできないというわけではないんです。(小西康陽)


けいすけ(以下、け):もうひとつ悩みがあるんです。高校に入ったら作曲の授業があるんですが、まだ作曲をしたことがないので授業に付いていけるかどうかが不安なんです。作曲って、どうやるんですか?

小西(以下、小):そうだなあ……。僕が最初に作曲に興味を持ったのは、けいすけくんと近い15歳くらいのころでした。でもね、ずっとできなかった。曲を一生懸命作ろうとするんだけど、完成しなかったんです。それからも作曲にはずっと興味があったんだけど出来なくて、ちょっと辛かった記憶があります。でもそれが25歳を過ぎたら、急にどんどんと作れるようになったんです。自分の技術がやりたい音楽に追いついたということなのかも知れない。

け:頭の中にメロディーが鳴る感じでしょうか?

小:こんな曲を作りたいなという気持ちに近いかな。僕が曲を作ることが出来るようになった時というのは、作詞と作曲が同時に出来るようになったということなんです。言葉が浮かんで、同時にメロディーが浮かんで……という感じです。けいすけくんの場合は、曲を作らなければならないときには、どんなドラムをこの曲につけようかと考えると比較的簡単なんじゃないかな?

け:ドラムを軸に考えてもいいんですね。

小:大丈夫。ドラムやパーカッション出身の作曲家はたくさんいます。僕が好きなパーカッショニストでティト・プエンテという人がいますが、この人はプレイヤーとしてはもちろん、作曲家、アレンジャーとして、ニューヨーク・サルサの基本を作ったすごいミュージシャンです。

け:わかりました!

小:そもそもけいすけくんは、作曲をしたいと思ったことはある? なにか訴えたいことがあるとか。

け:う〜ん、まだないんです。

小:じゃ、ドラムを叩きたいというのは、どういう感じ?

け:楽譜を次々にクリアしていく感じです。ゲームに近いかも。

小:なるほどね、プロのミュージシャンってのはそうなんだよね。次々に仕事をクリアしていくようなものかもしれない。

け:じゃ、これでも大丈夫なんでしょうか?

小:大丈夫です。作曲は、作りたい何かや訴えたい何かがなければできないというわけではないんです。そういう昔ながらの発想とは違う発想で音楽を作ることは、僕は、ありだと思います。だから自分でクリアしたいような楽譜を書くようにすれば作曲は出来るようになるんじゃないかな? 自分で自分に問題を出すような感じでね。僕はそういう音楽にすごく興味がありますね。

け:嬉しいです。ありがとうございます。

小:けいすけくんの曲を聴いてみたいので、完成したらぜひ聴かせて下さいね。

け:ありがとうございます!

小西康陽 × けいすけくん

「作曲が出来なくて、でも25歳を過ぎたら急に作れるようになった。」(小西康陽)


け:続けて質問なんですけれど、DJってなにをする人ですか?

小:(笑)新鮮な質問ですね。DJというのは、レコードを選んでかける人です。それのどこが偉いの?って思うでしょ。自分でその音楽を作ってる訳でもないし。

け:そうですね……。

小:今はすごいたくさんの音楽が出ているよね。みんながそれを全部聴くというのは不可能です。だから、音楽の知識をたくさん持っていて、人より先にその雰囲気に合わせた音楽を人より早く選ぶ人が必要になってくる。その人が選んだ音楽で、時間や空間を構成するということが、お仕事として成立しているんです。

け:うーん???

小:ちょっと難しいかな。テレビを見ると、いろいろな番組があっていろいろな音楽が後ろでかかってるよね。

け:はい。

小:怖い事件が起きたときは怖い音楽、そうじゃないときはそうじゃない音楽が流れている。あれも全部、DJではないけれどプロの音効さん――音楽効果さんっていうんだけど――が選んでいるんです。音楽には雰囲気を作る効果がある。それを作っていく人ですね。

け:わかった気がします。