混乱の時代

幾千にも砕けたドミナリアで異なる現実の、同じ顔ぶれ・混乱の時代

Translated/Compiled by YONEMURA "Pao" Kaoru


 過去の知識から未来を予測できない時──

 すなわち、砕け散った次元の現実が渦巻いている、現在。ドミナリアの歴史は重なりあい縺れあいながら、その不安定さの波紋をますます大きく広げていた。並行世界は、腫瘍の観察でもするかのようにただじっと状況を監視しているだけだった。

 テフェリーは、若きラドハとヴェンサーの中に、この不思議を解決するカギを感じ取っていた。すなわち、プレインズウォーカーの性質のどこかに、この次元流の原因と、解決法とが存在するのではないかと。強大な魔術師がその力を発揮すると、次元に一時的な傷が広がる。プレインズウォーカーの灯を諦めれば、次元は元に戻るのではないか。魔術師ヴェンサーは、また別の道に思い至った。すなわち、未だ知られていないプレインズウォーカーの中には、並行世界を壊さずに移動する能力を持ったものもいるのではないか、と。

 並行世界が混乱の広がりに直面し、ドミナリアはその狭間で束の間の釣り合いを取っている。ドミナリアは暴力的な時間の乱流から生き残ることができるのだろうか? ヴェンサーはテレポートの魔法で次元の崩壊を防ぐ道を見出すことができるのだろうか? それとも、次元の混乱という昏き回廊からの悪夢がこの時代を支配してしまうのだろうか?


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