(1)和田中の教育目標は「自立と貢献」。また、理想とする中学生像は、大人の条件で
ある「自立と貢献」の意味を解し行動することで身近なよのなか(教室、学校、地域社会)
の状況を変化させることのできる中学生としています。これは私の在任中は変わりません。
このように和田中では、「変化」をチャンスと捉える生き方を奨励します。
したがって、教師自身も「変化」をチャンスと捉える生き方を生徒に見せる大人モデルであること。すべて「子供たちの未来を開く」ためです。
(2)和田中の教育の特徴に、豊かなコミュニケーション技術の習得に力を入れていることがあります。和田中生はコミュニケーション能力があり、情報の扱いに強いという評価が高まるようにしたいと考えています。
そのために、毎朝10分間を総合学習の時間として「読書」に当てるとともに、図書室の改造にも着手。また、一人一台の理想像に近づけるべく、ノートパソコンの導入にも踏み切りました。
したがって、和田中の教師は、最低でも月に2冊程度(年間20〜30冊)の書籍を生徒とともに読むことが求められます。感想の発表機会も設けます。
また、17年度からはメールアドレスの取得を義務づけます。学校の活動に関わる主要な意思決定に先行して、メールで情報を流し意見交換することで、委員会や会議を活性化したいからです。
(3)和田中では、弱点を指摘して“自分に自信のない生徒”を育てるより、「誉める指導」
にベースを置いて教育を行ないます。
Self-esteem(自分の存在感に自信が持てている状態)が高いほうが、学ぶ動機づけが強まると考えるからです。
また、様々な改革案(和田中をもっと良くするためのアイディア)に対して、単に批判することはやさしいが、好ましくはありません。反論がある場合は、必ず「対案(もっと良い実行可能な案)」をもって議論に参加して下さい。
すべてに「良い面」を見て伸ばす視点と態度を身に付けて欲しいからです。
(4)和田中の15年度の改革スローガンは「すべての教室から緑が見える学校」の実現でした。これにより、南側校庭の芝生化や中庭の緑化、果樹の植樹、菜園づくりを進めてきました。これは最低3年間続けます。
16年度の改革スローガンは「目からウロコの和田中学校」です。
すべての授業において、先生方のプレゼンテーション・スキルを評価します。「へーえ!」という小さな感動の波を起こすには、先生自身がもう一度“好奇心”を復活させ、知的探求心を蘇らせることから。「世界ふしぎ発見!」の謎解きのような、ミステリーハンターになったときのような“知的興奮”を、生徒達にいっぱい味あわせてあげてください。そして、生徒のプレゼンテーション・スキルも向上するよう、すべての教科で指導して下さい。
とくに、文章力(文章での構成力)は生徒達の未来を開く鍵。これは、国語科の先生がいくら授業だけでやっても足りません。班ノートや復習ノート、感想文や読書新聞など、ありとあらゆる機会に文章を書かせ、すべての先生が添削するようにして下さい。
また、音とリズムの感覚や基礎体力をベースにした身体表現、デザイン感覚や手先の技術を含め、音楽・体育・美術・技術・家庭も人生をかたちづくるための総合的なプレゼンテーション技術として、力を入れたいと考えています。
(5)和田中を構成するスタッフは、教師と職員だけではありません。200人に満たない生徒の豊かな学習をサポートするために、「和田中サポーターリスト」に掲げた100名を超える外部スタッフが協力してくれています。
したがって、和田中の教師は外部パワーを上手にマネジメントし、一人で勝負するよりも、より豊かな教育サービスを生徒に提供できる技術をもって欲しいと考えます。ゲストやインターンや外部講師とのT.T授業をドンドン開発して下さい。外部の異質な人材とのコラボレーションを恐れないで下さい。
公立の中学校に通う生徒一人当たりに100万円のコストがかかっています。1年間の総授業コマ数は1000コマですから、1コマ1000円ということになります。あなたがいま終えた授業(1コマ)は生徒が残らず1000円を支払うだけの価値のある授業だったでしょうか?一人残らず1000円の受講料を払わせるだけの魅力ある授業でしょうか。
1000円といえば、中学生の映画観賞料金と同じ。よのなかのダイナミックな動きと結びついた、立体的な演出を心掛けて下さい。お願いします! |