「お母さんはどこに行ったの?」と聞かれて、「目の手術に行きました」と答えると聞いた人は心配します。そこで「どんな手術?」と聞くと「一重まぶたを二重に」という落ちがつきます。
おそらくその手術を受けたことがある人は一重まぶたが”蒙古ひだ”のせいだという話を聞いたかも知れません。日本人に一重まぶたが多いのは寒い土地で目を守るために体を適応させてきた遠い先祖の血を受けついでいるからということになります。氷河期でも来ない限り、その蒙古ひだは暖かい日本では必要ないことになり、逆に日本に適応すればそれは遺伝子として定着し一重まぶたは無くなる日が来るということになりますが、それはおそらく何万年も先の話でしょう。
さてそんな日本人はどこからやって来たのでしょうか?結論を先に言うと、「日本人はどこからも来ていない。日本人は日本で生まれた。」というのが編者の考え方ですが、その日本人が生まれるまでの歴史を私見を交えて以下にまとめてみました。
日本人が日本で生まれたとすれば、それは日本各地で発見されている(?)原人が日本人の祖先なのでしょうか?それは違うと思います。原人は人類とは種が異なるため、北京原人やジャワ原人、そして日本で発見される原人もその昔、その地域に原人が住んでいたという事実を伝えているということだと思います。
先祖をたどる方法として、母親からしか受け継がない
ミトコンドリアという一種の細菌のDNAを調べる方法があるそうです。その方法で人類のルーツはアフリカにあるという結果が出ました。
アフリカで肌の黒い人類が生まれたと仮定します。その中から肌の色が褐色の人種が生まれたとすると、どうでしょうか?肌の色の違いが諍(いさか)いの原因となることは十分に考えられます。肌の色の同じ者同士は親近感を覚えて子供を産み、やがて人数が増えすぎて世界中に移動したと考えるのが自然だという気がします。しかし、一日に移動できる距離はせいぜい30km。毎日歩いても1万キロ先へ進むには1年はかかります。そんな先を目指して進むことが出来るのは元の世界では暮らせなくなり、未知の世界へ希望を託したことになります。ちょうど、今から1万年くらい前までは氷河期の時代であったため、温暖化と反対に降った雪が海に流れず循環が少なくなって海水の水位が下がると、至る所が陸続きになって移動可能になります。
世界中の先住民と呼ばれる人種はこのころに世界中に散って住み着いたものと考えられます。中央アジアやアメリカ大陸には驚くほど日本に似た人達が住んでいます。アメリカの先住民であるアメリカン・インディアンにもどこか親近感を覚えます。
ちなみに白人は世界中に散った黄色人種の突然変異ではないかと考えています。これは人種の系統図からも先にアフリカ人が分岐し、その後で白人と黄色人種が分岐していることかれも納得が行きます。白人は中央アジアで生まれ、今の欧州地域に移り住んだと言う人もいます。いきなり金髪で肌が白く目の色が青い人が生まれると宇宙人のようにも思えたに違いありません。
さて、日本列島に住み着いた遠い日本の先祖は狩りなどをして暮らす縄文人となります。 そして弥生時代になると、おそらく地球自体が寒くなる小氷河期を迎え、さらに寒いところに住んでいた人達(北方民族)が暖かいところへと当時陸続きだった日本に移り住んだものと考えられます。
そのとき一緒に稲作の技術と一重まぶたという遺伝子を持ってきて縄文人との間で混血が進むことになります。弥生人は主に西日本に広がり、南西諸島や北海道まではやってこなかったようです。従って混血の進んだ日本の本土人と南西諸島に住む琉球人、東日本に住んでいたアイヌ人は、縄文時代の特徴である彫りの深さ、二重まぶたなどの特徴を残すことになります。
江戸時代になって都を東に移したり、日本国内で人の移動が多くなったため最近は区別が難しくなって来ましたが、古くからそれぞれの土地に残る方言や食文化などは、不思議に東西で違っているようです。
日本遺伝学研究所のホームページによると、どこからやってきたかによって、
ミトコンドリアDNAの調査結果に差がでるようです。ちなみに韓国と本土日本ではその差がゼロだそうです。また別の調査結果によると、弘前、秋田、仙台には白人と同じウィルスを持った人達が1,2割ほどいるため、そのルーツは白人ではないかという報告もあります。しかし、混血が進んだ日本にとって、日本人は日本語という共通の言語文化を持つが故に日本人であり、それがために日本人は日本で生まれたとする根拠はここにあります。
-2001/8/16-18
-2001/8/19 更新
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