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なぜ自己責任を問う声が強いのか?


 イラクで人質になりその後解放された三人に対して、自己責任を問う声が強いようです。なぜ自己責任の声がこれほど高まったのでしょうか?

 人生で成功するにはどうしたら良いのか、という問いに対して、それは人のために尽くすことだ、と自分の子供に伝える人たちが少なくないようです。そんな人たちらしいと伝えられているのは、今回イラクで人質になった三人の家族ではなく、意外にもブッシュファミリーです。この、人生における成功への近道は、まず現在のブッシュ大統領の祖父(元上院議員)から父(元大統領)に伝えられたそうです。そしておそらくその父から現大統領にも伝えられているに違いありません。

 人の役に立つことが人生で成功する近道だと考えているに違いないのに、その手段の一つであったはずのイラク攻撃は失敗だったと非難の声が上がり、しかもその後の統治のやりかたもうまく行っているとは思えません。人の役に立とうと考えたとしてもそのためにやったことがつねにうまくゆくとは限らない、というのが現実です。

 今回解放された三人は、一人は劣化ウラン弾の調査のため、一人はストリートチルドレンなどに対する支援のため、そしてもう一人は取材のためにイラク入りしたと伝えられています。いずれも混乱の増すイラク国内での活動で、無謀なくらいに高い志がなければできないことです。

 本来人から敬意を払われて当然のはずの人たちやその家族が、今回非難されてしまった理由は何なのでしょうか?

 それは以下のような矛盾が見えてしまったからではないか、と思います。

@人の役に立つはずが、人に迷惑を掛けてしまった
A人を助けるはずの人たちが人に助けられてしまった
B取材をするはずの人が取材を受けてしまった
C国を非難しながら国に助けを求めてしまった
Dこうした矛盾にどうも気がついていないらしい

 ”人のために尽くしたいからNGOやジャーナリストとして活躍したい。” こうした意欲の源は、自分の人生を意味あるものにしたいという願いにあるのだろうと思います。この願いは人間なら誰もが持っているはずですが、そのための手段を間違えてしまうのは良くあることです。

 フランスの小説家スタンダールによれば、何を目標にすべきか、そしてその目標に近づくためにはどうしたらよいのか、この二点が人生で学ぶべき最も大事な学問、なのだそうです。人の転んだ姿を見て、笑ってばかりもいられません。

-2004/4/18




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