毎週土曜日の朝7:30から、東京MXTVでは都知事会見が放送されています。毎週都知事が主なトピックを説明し、その後、放送・新聞ほか各社の記者が質問し、質問が無くなれば終わりという内容です。
今週の会見の中で、もっとも不可解だったのは石原都知事が臨時都議会に出した副知事人事案にたいし、議会が反対したことです。反対に回ったのは自民党、公明党、そして民主党、などの会派と報道されています。
これまで3人いた副知事を、一人勇退で2人とし、3人目あるいは4人目をどうするかは、6月の議会までに案を出したい、というのが石原知事の考え方だったようです。
知事会見を見る限り、1人が勇退する理由も本人の事情によるもののようで、この人事案に自公民がいちゃもんをつける理由はよくわからないところです。
これと言ったわかりやすい理由がないにもかかわらず、反対するのはどういう時でしょうか?やくざは通行人にわざと肩をぶつけて、いちゃもんをつけ、金銭を得ようとすることがありますが、これははみ出し者となり、不幸な運命を歩んでいる自分と、普通に暮らしている幸運な一般人とのバランスをとろうとする力が働いているためだろうと思います。
上がった天秤の片方に重りを置けばバランスがとれるように、通行人から自分の方へ強制的に金銭を移動することによって少しでも社会的不公平によるアンバランスを是正しようとする、本能的な反応だろうと思います。それが違法であるか、合法であるかについては本能の知るところではないので、本能に忠実な生き方はリスクの高い生き方と言えます。
300万を超える都知事の得票によって都議会で会派を組んでいる各政党の存在はかすんでしまうほどです。東京のためというより、都議会や政党の存在意義を主張するための反対であったように思います。議会も知事も同じ都民の代表者で都民に代わって都政を担う人たちですが、その人気や存在感には明らかなアンバランスがあるからです。
それは事前に説明がなかった、という声にも現れていますが、副知事が2人では回らない、と主張しながら、結局まとまらずに継続審議となったために、副知事1人の体制という結果を招いてしまったことで、なるほど思わせた正当性も吹き飛んでしまいました。
本能に忠実な動きは、”政党”ブランドの価値やイメージをますます下げてしまう方向に働いてしまうようです。
-2003/5/10
●参考リンク
●当サイトは全ページリンク・フリーです。連絡も要りません。
Copyright(C) 2000-2006 xSUNx(サン) all rights reserved.