「日本人が礼儀正しい」と言われるようになったのは、中国が生んだ”孔子”に始まると考えています。孔子は30歳の頃に礼をわきまえた人だという噂が広まり、中国全土から弟子が集まるようになったと聞いています。しかし、その頃の中国は戦国時代の混乱の時代でした。そんな時代に礼を大事にする為政者はほとんどおらず、孔子は相手にされなかったそうです。
現在の中国は経済的にみると戦乱の世なのだろうと思います。今回連行事件が起きた総領事館のある瀋陽(しんよう)は中国では上海、北京、天津(てんしん)につぐ第四の都市で、人口は660万人もいるそうです。
瀋陽(シェンヤン)在留邦人の情報をネットで拾ってみると、現在の瀋陽はちょうど日本が東京オリンピックをこれから開催しようとしていた時代に似ていて、活気があると同時に工場が増えて空気も水も汚れ、その汚ささえも勢いで肯定するような時代を生きているようです。マクドナルドもケンタッキー・フライドチキンもコンビニもしゃれたブティックもあるそうです。
もともと中国という国は外野の騒ぎを気にしない国なのかも知れません。自国が戦乱の世であれば、当然外には目が向かないだろうし、落ち着いた時代であれば、自国の歴史を振り返って、その偉大さに中華思想がよみがえるでしょう。
中国は黄河文明を生んだ国であると同時に、紀元後105年には世界に先駆けて紙を作る技術を確立しました。瀋陽のある遼寧省では原油も掘り出されるなど資源にも恵まれた国です。
資源のない日本と違って何もかもそろっている中国では、世界を相手にする必要はないと考えて中華思想が生まれたのでしょうか?そしてのんびりしている間に弱小国であった日本に日清戦争で負けてしまいました。
現在の中国はというと、文化大革命の間に眠っていて、現在は近代化の時期を迎え覚醒期だと考えることができます。こうした中国にとっての争乱の時期は外の言葉が耳に入らないはずなのですが、近代化のための外資導入やWTO加盟や2008年の北京オリンピックもあるため、世の動きを無視もできません。
おそらく、連行した5人の北朝鮮人は強制送還せずに第三国に渡さざるを得ないだろうと思います。これは獅子の生態と言えるかも知れません。
-2002/5/14 初版
-2002/6/08 更新(地図追加)
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