x 前向きに生きた方が気分的にも、その人の成長のためにもそして肉体的な健康のためにも良いということは理論的にも解明されてきており、何度も耳にした事もあると思います。しかし、”はい、そうですか”と素直に言う事を聞けないようにできているのも人間のようです。そんな体験談を聞く機会がありました。
編者の良く知るBRさんは2年ほど前に北部ヨーロッパのある国に駐在するよう命じられました。滞在期間が長くなりそうだったため、奥さんと共に行く事になったそうです。BRさんの奥さんは英語もろくに話せず、しかも滞在地は英語圏ではありません。奥さんの持病があったり、滞在場所(アパートなど)も決まっておらず気が進まなかったようです。しかし、とにかく行ってみようということになりました。
現地の冬は朝9時にならないと明るくならず、夕方の4時には暗くなり、5時には星が見えるそうです。そうした日々が冬の間中続き、日本に居るときよりも帰りが早く二人で過ごす時間は増えたにも拘わらず、気分がふさぐことが多かったようです。奥さんはうつ状態になり、何とかしようということになりました。
幸いだったのは二人とも現地の人とコミュニケーションをとることは好きで、英語の分からない近所の人に向かって身振り手振りで話すと相手のおばちゃんなどはとても面倒見が良く、いろいろ近所を案内してくれたそうです。この辺は日本の田舎や下町のおばちゃんと一緒なのかもしれません。
そのうちに現地の言葉を覚えようということになり仕事場の人を通じて先生を紹介してもらい習いはじめました。その先生は近くの中学校の人で、そこでパーティがあるときに招待されたそうです。観光ではなかなか味わえない体験だったと話していました。
さらにインターネットを使って海外駐在員の掲示板を通して現地の人と知り合い、休日を利用して会いに行きました。そこで知らされたのが暗い冬についてです。アメリカの西海岸や日本などから来た人にとってその暗くて長い冬はだれでもうつ状態になるそうです。一方明るく日の長い夏は冬の気分が嘘のように陽気になるようです。
また家の中では進んでわけの分からない現地のTV番組を見ていたとか。そうした中、帰国命令を伝えるメールが会社から届きました。その頃には現地で生活を続けたいと思うようになっていたそうです。
久しぶりにBRさんからゆっくり話を聞いた編者は彼の成長ぶりに驚きました。”前向き”という言葉が何度も彼の口から出てきたのが印象的でした。
-2000/11/02
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