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靖国神社参拝はなぜ反発を招くのか?


 自民党が勝って終わった参議院選挙ですが投票率が思うように伸びませんでした。それは小泉さんには応援したくても自民党には入れたくないというねじれた感情が原因ではないかと考えています。さてそんな政治の世界の次の課題は靖国神社参拝問題です。これは小泉さんが自ら作った壁であり、タブーへの挑戦だとも言えますが、かなりもめているように報道されています。その原因を考えてみました。

  • 反発を招く理由

    • 教科書問題以来の反発
       20年くらい前に、A新聞の教科書書き換えという誤報に始まった教科書問題は「実は書き換えは無かった」というS新聞の謝罪文によって当時は収まりました。しかし、それ以来、特に中国や韓国は日本は過去の歴史を美化しようとしてるのではないかというと疑うようになり、機会あるたびに反発するようになったように思います。疑心暗鬼とはまさにこのことではないかという気がします。

    • 宗教的背景
       A級戦犯が祭られているから神社への参拝はいけないとよく言われます。A級戦犯とは、この人の判断が正しかったら戦争は起きなかったかもしれない、というくらいに責任の重い人です。その人を祭っている靖国神社を参拝することは戦争に導いた人を肯定し、戦争を賛美することだという具合に受け取られます。

       しかし、今時の日本人に進んで悲惨な戦争を始めようと思っている人がいるとも思えません。また日本人の素直な感情を言えば、どんな悪人でも死んでしまえば仏になるという考え方が深く浸透してるように思います。そんな日本特有の文化まで否定するようなことを他国からとやかく言われたくないと考えるのが正直なところです。

       ところがこうした日本人の考え方はいろいろな宗教が混ざり合った結果出てきた独自のものであって、他国からは理解されにくいということを意味しています。

       死んだ後は”仏”になると言っても仏教にはそんな教えはありません。現世で悪事を犯したらその因縁が来世についてまわるだけです。韓国は儒教の国といわれながら信者の数で言えば仏教、プロテスタントが多いようです。(1995年)一方中国では大多数(9割以上)は特に特定の宗派に属さず、その精神文化は共産主義と矛盾しない道教にあるとされています。いずれにしても死後の”仏”についての考え方はありません。したがって、A級戦犯は”仏”にならずに、A級戦犯であり続け、反発が想像以上に大きくなることが考えられます。

    • 歴史的背景
       次はかつて日本は加害者であり、中国・韓国は被害者であったという事実です。加害者はその過去を忘れたがりますが、被害者は忘れたくても忘れられません。これは立場が逆になってお相子になった場合でさえ理解は難しいように思います。

    • 周辺諸国への影響力
       最後に考えられるのは韓国や中国に与える日本の影響力が大きいことが考えられます。J−POPは両国にしずかに浸透しています。また仕事の上でも付き合うことも多く、その相手が”野蛮人”であるとするなら、そんな人を相手にしなければいけない自分は一体なんだろうと考えることになります。これはそれぞれの国民が誇りを持って生きてゆくために為政者は声だかに叫んでいるのかもしれません。

  • このまま進んだ場合に予想されること

     小泉首相が公言した通りに靖国神社参拝を行なった場合、以下の問題が予想されます。

    • 予想以上の反発による混乱
      ・学生によるデモ(9月の満州事変70周年の時(中国)
      ・中国要人の更迭(85年の中曽根総理の公式参拝でも起きた

     また、熟慮の上靖国神社参拝を中止した場合以下の問題が予想されます。

    • 公言したことを守らないのは改革もまた同じではないかという印象を与える
    • 内政干渉に屈したという印象を与える

     後者は国民の大多数が望んでいる改革が進みにくくなることを意味し、かと言って前者は新たな火種が加わることを意味します。


  • 対応策

    • A級戦犯だけ靖国神社から別の神社に移す
      終戦記念日だけ移動するという方法です。こんなことが可能かどうか解りませんが・・・。(政治が宗教法人である靖国神社に合祀されているA級戦犯を移動する分祀を要請することは憲法違反となります。)

    • 当日までに直接対話をする
       これが一番現実的でしょうか?小泉首相が8月15日になるまえに韓国や中国と直接対話をすることではないかと考えます。その結果は問いますまい。

     これまでは靖国神社参拝そのものがタブーであったというより、このことに関して直接対話すること自体がタブーだったように思います。

■解説
 報道機関は世界中で起きている事件のすべてを報道する時間が無いため、選択しながら報道しています。そこにはその機関の意志があることを忘れてはいけません。その報道機関のフィルターを通して自分たちは世界を知る機会を得ているという事実が何を意味しているのか知る必要があると思います。


-2001/7/31 初版
-2001/8/12 更新



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