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北朝鮮はなぜ危ない国になってしまったのか?


 北朝鮮と言えば危ない国の代名詞のようになってしまった感があります。たしかに、多くの人を誘拐しておきながら、その事実を認めようとしなかったり、認めたかと思えばそれを正当化しようとする国であることは否定できません。

 世間から逸脱した不良少年のように煙たがられる存在です。人の言うことを素直に受け取れないひねくれ者で、人の親切を仇で返しかねない存在です。なぜ、こうなってしまったのでしょうか?

 その理由についてはいろいろなことが言われていますが、ここでは共産主義の持つ根本的な矛盾について考えてみたいと思います。

 ”人間というのは死んでしまえば何も残らない。魂も残らない。土に戻ってしまう存在だ。”と、ある先生が授業で話していました。それは逆に何かを残したいという気持ちの裏返しだったのかも知れません。その後、先生は教職を辞め、政治家(共産党員)になりました。

 この経験から共産主義者とは”神”の存在とか、あるいは輪廻の思想より、ダーウィンの進化論を固く信じる人の集まりなのだろうという印象が残りました。

 人間の遠い先祖が猿なのであれば、人間は”生物らしさ”を大いに受け継いでいるはずです。ところが、不思議なことに、”人間が猿から進化したなんて、そんなことがあるはずがない。人間は神様の手によって創造されたのだ。”と、主張する敬虔なクリスチャンと同じように、共産主義者は”生物らしさ”を否定してきたように思えます。

 ここで言う生物らしさとは、体力を温存するために利益にならない余計な仕事はやらないという生物の性質です。

 共産主義によって実現される平等な理想社会を目指した革命家達にとって、人間はもっと高級な存在であったはずだったのです。理想社会建設のために陰日向なく皆がよく働くはずだったのです。ところが、人間はそんなに高級ではありませんでした。誰も見ていなければ怠けて仕事をさぼり、飯を食うときだけは先を争って列の先頭に並ぶという性質も併せ持っています。

 社会主義は怠ける性質を増殖させるしくみに満ちていたようです。その社会で生き残るための処世術を身につけた人だけが生き残るというダーウィンの”適者生存”は相変わらず生きているのです。よく働く者が生き残るのではなく、その環境に適応した者が生き残るのです。北朝鮮は頑固に旧来の共産主義を貫き、その社会で生き残った”適者”らの生態を私たちは目にしていることになります。

 それなら社会主義は危ない思想なのかというとそうだとは思いません。日本も経済成長時の余力を使って富の再分配を続け、効率よく働く人も、そうではない人の収入も大きな差の無い、より平等な”社会主義国”が実現されています。それどころか、ろくな仕事をしていないところの収入の方が、よく稼ぐところより多いという逆転現象もあるくらいです。

 熾烈(しれつ)な競争社会で生き残るべく、バリバリ働きたいという人の生き方を否定はしませんが、できれば競争社会の次の段階に進みたいところです。

 だからといって、社会主義そのものを望むというわけではありません。社会主義が実現するはずだった理想社会はそこに住むためにあるのではなく、遠くから眺めるためにあるということが、この一世紀くらいの社会主義国家建設の試みによって明らかになってしまったようですから・・・。

-2002/12/19


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