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フリーターとサルトルの関係


 人間は自由の刑に処せられていると言ったのはフランスの哲学者サルトル【Jean-Paul Sartre(1905-1980)】です。刑に処せられているというくらいですから、”自由”とは苦しいものというとらえ方をしていることになります。

 「君がどんな職業に就くかは君の自由だ」と言われても、何をして良いのか分からない。まだ誰かに決めてもらった方が楽だと考える人さえいるかも知れません。そうやって、本来の自分の職業を決めかねているときに、とりあえず経験することの一つに”フリーター”があります。

 フリーターの欠点はスキルが身に付きにくいことや、給与が安いため家族を養えないことなどです。従っていつかはフリーターを卒業して本来の職業に就こうと考える人も多いはずです。

 現のフリーターという在が、本来の職業(本質的な存在)に先立つと考えることができることから、実存主義と呼ばれる考え方とよく似ているように思えます。

 これこそはサルトルの言う実存主義です。サルトルの考え方によると、本来の職業を自らの意志で選択することが自分の本質的なあり方を自分の責任で決めることにあたり、実存主義的決断であると説明されています。これは「私が私になること」であるとも言っています。

 「世の中には良い人間と悪い人間がいるわけではない。良い行いをすれば良い人間になるし、悪い行いをすれば悪い人間になる。」という考え方があります。自分のあり方というのはその人が何をするかという現実の世界での行為によって形になると考えます。

 サルトルはアルガジュマン(現実世界への積極的参加)は人間の義務だと考えました。哲学者であり文学者でもあったサルトルにとって政治に参加することがそのアンガジュマンにあたり、自分の義務だと考えていたようです。

 ある行為を義務だと感じたり、特定の職業に使命感を感じたりするようであれば、その職業はその人にとって天職であるかも知れません。

 自分にとって、”義務”だと思いたくなるような職業とはいったい何でしょうか?それを見つけてその職業に就くことができれば、それが「私が私になること」ということになりそうです。

-2002/4/21-22



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