楽天がTBSの株を買っている、というニュースを聞いたときは、”やっぱり”という感じでした。それからしばらく”『やっぱり』の楽天 『次は何か』のライブドア”というフレーズが頭の中を駆けめぐりました。気になったのは、楽天はどういうやり方で進めるのか、という点と、そもそも、買収にメリットがあるのか、という点です。楽天はTBSと組んだ方が得なんでしょうか?
私は組まない方が良い、と考えていますが、それは以下の理由によるものです。
一つ目はスピード感が違いすぎるという点です。TBSを含む従来のマスコミは、これまでに蓄えてきた財産の持つ位置エネルギーを利用して静かに下る業界だと思います。そのスピードはゆっくりの方が良いに決まっています。今回、楽天が黙ってTBS株を買い進めた理由は、話し合いでは埒があかない、という苛立ちにあったようです。
苛立ちが動機になって行われる行為の端々には、その行為者の好ましくない人格が表に出る危険があります。ライブドアのニッポン放送買収の時にも、そんな印象を受けました。楽天がTBSとの統合を急げば急ぐほど、楽天のイメージは悪くなる、と思います。
二つ目は特定のマスコミとの結びつきを強めることが得かどうか、という点です。楽天のホームページに訪問したとき、TBSのコンテンツだけが充実している、というのではマイナスだと思います。それはたとえば、TBSだけが良く映る液晶テレビとか、TBSラジオだけが良く聞こえる防災ラジオのようなもので、そんなテレビやラジオを買う人はいません。
これからは、一放送局より、ポータルサイトの方により公共性が求められるようになる、と思うので、一つの放送局に贔屓(ひいき)するは良くない。従ってTBS買いはマイナスだと思います。
三つ目は、楽天はインターネット放送のためのルールづくりに参加し、より多くの放送局と仲良くした方がよい、という点です。たとえば、TBSラジオはインターネットで番組をリアルタイムで流したりしていますが、残念ながら広告や音楽はカットされています。ラジオ局にとってインターネット放送は、手間のかかる投資、の域を出ていないのです。
-2005/10/15
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