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缶コーヒーを買いに行くべきか?


 雨が降り続く梅雨の日の夜、突然缶コーヒーを飲みたい、という衝動に駆られたとき、あなたはどのような思考過程を経て行動に移るでしょうか?いくらなんでもこんなことで誰か別の人に、今ここで自分は缶コーヒーを買いにゆくべきでしょうか?、などと、質問する人はいないでしょう。つまり、

 あなたはこの件について、自分で考え自分の力で結論を出さなければならないのです。別の言い方をすれば、自分で考え自分で結論を出す力が身につく良い機会なのです。こんなときに、衝動にまかせて何も考えず近くの自動販売機に走ってはなりません。なぜなら、その行動はあなたの知らない無意識の世界の使い走りに過ぎない、と思うからです。

 その状況はつまり、運命に流されているだけで、自分の意志というものが自分の生き方に反映されていない、と考えられます。華々しく変えるということは無理でも、少しぐらいjは変えられるはずです。

 さて、缶コーヒーを買いにゆきたいと思うなら、その行動を抑制するために、買いにゆくことによるマイナス面について考えてみたいと思います。近くの自動販売機まで買いにゆくのなら、靴もすり減るし、120円という出費も必要です。ミルクや砂糖はいらないというのなら、湯を沸かして挽いた豆をフィルターの上に乗せて熱い湯を注げば、数倍香り豊かでコクのあるコーヒーが数分の一の出費で楽しめます。

 さらに、外に出るならそれなりの服装に着替える必要もあり、傘も濡れて痛むだろうし、冷たい雨の滴(しずく)が首筋に落ちるやも知れず、あるいは通り掛かりの車が水たまりにタイヤを落として飛び跳ねる泥水のシャワーを浴びるかも知れません。

 にもかかわらず、缶コーヒーを買いにゆきたいという欲求は微動だにせず、結果として外に出て買いにゆくことになったとしても、それでもあなたは十分に、この思考によって缶コーヒー以上の何物かを手に入れたことになるはずなのです。

 ”結局自分は、根っからの缶コーヒー党らしい”という結論に達するのも良いし、”もしかしたら、習慣で飲んでいるだけかも知れない”という結論でも良いのです。

 習慣にすぎないなら、缶コーヒーを飲むのはやめよう、と決意してみてもうまくゆくものでも無いようです。それは人の意見も聞かず突っ走るリーダーに似ていて、疲れるばかりで誰もついてこないでしょう。

 なぜ自分はこのように行動するのか、とその理由らしきものに気づくことそのものが手強(てごわ)い交渉相手をやんわりと、しかし着実に説得することになるのではないか、と考えています。

 この交渉相手とは、自分自身の行動の大部分を決めているとされる潜在意識のことです。この潜在意識というやつは一時的な感情で盛り上がり情熱を注いで変えようとしても勝ち目の少ない手強い相手です。

 そんな相手を説得するための最も効果的な方法が、自分の行動の理由について、自分で考え、何かしら気がつくことではないか、つまりそれが潜在意識へのメッセージとなって、そのうち届くこともあるのではないか、と考えています。


-2003/7/10




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