地を這うものは宙を舞ってふわふわしてみたい衝動に駆られ、いつか空を飛ぶことを夢見る。海中を住処とする魚でさえ宙を舞うことを夢見たのだろうか?あるいは生態系の食うものから逃れるため宙にその逃げ場を求めたのか?彼らは大群をなしてカサカサと音を立て、ものすごいスピードで飛び去っていく。こちらが船に乗り前方から飛んでくるときは各々のスピードが合わさって100Km/h程にもなって通り過ぎることになる。
それは鳥の大群が飛び去る姿より勇壮だ。魚であるだけに特別の使命感を持つのではないかとさえ思わせる。しかし、産卵のために黒潮に乗って各地に彼岸するとき、暗闇に明かりを照らせばそれを求めて飛び込み網という名の罠にかかる。釣り人に引き上げられることもある。
彼らの名は飛魚。英語名はその名の通り
flying fish 。体長25センチ程度。胸鰭が発達して翼の役目をする。春から夏にかけ飛魚漁で食卓へと運ばれる。白身で美味。乾物を焼いても美味しい。新鮮ならさしみも良く、塩茹でしただけでも編者は美味しいと感じる。姿を変えてかまぼこやさつまあげにもなる。
(食べるときは大群が音を立てて飛び去る姿を想像しましょう。さらに美味しい翼を持つ魚となります。)
-2001/1/20
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