「素顔」の意味を辞書で引くと、化粧をしていない顔(face without makeup)、つまり地のままの顔(true
face)を指すとあります。しかし、地のままの顔が、女性のありのままの姿なのかどうか。それが問題なのです。
ここで言う素顔は、物理的に何の手も加えていない、ということを意味しているに過ぎません。目の前の女性の本当の姿を知りたいのなら、物理的な外見を正確に知るだけでは不十分です。
なぜなら、女性を女性たらしめている女心が、そこにはどこにも投影されていない、と思うからです。
人の性格を知るための方法の一つに、投影法という手法があります。投影法(projective
technique)とは、有斐閣の「心理学辞典」によれば、“被験者に比較的自由度が高く正誤や優劣の評価を下せない課題の遂行を求め,その結果からパーソナリティを測定する方式をとるもの”とあります。
“比較的自由度が高く正誤や優劣の評価を下せない課題の遂行”が「化粧」にあたるとは言えないでしょうか?化粧は実に主観的な作業であるため、本人は美しい顔を目指すものの、その結果が客観的に美しいとは限りません。つまり、化粧によって被験者独自の個性がスクリーンのように映し出される、と言えないでしょうか?
これはまさに、化粧によって出来上がった顔に、女心を含む女性のありのままの姿が投影されていることを意味しています。
女性の外見的な素顔だけではなく、内面を含んだ素顔を知りたいと思うなら、化粧をした顔を見るのが一番、というのが結論です。
-2006/10/16
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