なぜ好きなのかというよりあれほど美味いものを好きにならない方が難しい。編者の知る限り、ラーメンと呼ばれるスープ入の麺料理は日本が世界に誇るべきMade
In Japanの料理だ。日本には美味しいラーメンを作り上げるための条件が揃いすぎている。
日本人は一つの器の中にあらゆる要素を閉じ込めるべく生まれてきたのかもしれない。盆栽は鉢の上の芸術とも言える。そしてそのファンはヨーロッパにも意外に多い。携帯電話でメールを打つことまで可能にしそれを使う者は圧倒的に日本人が多い。一つの入れ物の中にあらゆる喜びを詰め込む幸せを知っている。
丼に入ったラーメンはただのスープ麺ではない。あらゆる美味き要素を取り寄せ、混ぜ合わせ、競い合い、その進歩は留まる事を知らない。人により異なる味の好みでさえラーメンはあらゆる味を用意しそれらの要求を満たそうとする。一つの店が満たせないなら隣の店が満たす。塩味良し、醤油味良し、味噌味良し、家系の豚骨醤油味も良い。
暑き夏には汗を流し、寒き冬には暖まる。それはそれは美味き店の客は喋る時間を惜しんで食す。スープの旨みを味わい、麺も程よき歯ごたえを逃がさないため喋る暇が無い。無心に食す客の姿は作る者にとってこれほどの喜びはない。
作る者は競って美味いものを作り、食す者は競って美味い店を探そうとする。そして麺とスープと具の間でさえその美味さを競い合いながらお互いの味を引き立てようとする。これほど選りすぐられた丼の中の幸せを好きにならないのは難しい。
-2001/2/3 節分
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