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沢庵はなぜ黄色いのか?


 子供の頃、編者の近所では誰もがダイコンを自家用に育てていました。そして庭の横にした竹の上に、対にしたダイコンを干していました。干し大根になると樽やつぼの中に塩や米ぬかなどと一緒に入れて重い石を重しにして漬け、沢庵を作っていました。別の時期には大豆を煮て味噌も作っていましたが、その話は別の機会にすることにします。

 それぞれの家が沢庵を作るので、家庭によって味が違っていました。沢庵の色は黄色と言うより、黄色とこげ茶色の真ん中くらいの色で、とてもおしゃれな黄色ではありませんでした。しかも甘みは殆どありません。祖母の作っていた沢庵などは塩辛さの芸術のような出来で、保存という意味では安心ですが、高血圧の危険性を考えると綱渡りのような辛さです。

 それから、収入が増えたせいか、ダイコンが不作だったのか、あまりのダイコンの色の白さを妬んで嫌になったのか、店に売っている沢庵を食べる機会がありました。それはそれは鮮やかな黄色で適度に甘みがあり、沢庵美人を見るような衝撃を受けましたが、どうもその黄色の秘密は合成着色料にあったようです。沢庵も化粧をしていたということになります。


 赤色や青色、緑色の合成着色料のなかには日本では認められていても、海外では使用が禁止されているものもあるようです。その中に黄色の着色料がたまたま見つからなかったのは不幸中の幸いですが、どうも色が鮮やかすぎる保存食は気をつけた方が良さそうです。

 さて最後に沢庵を最初に漬けたとよく言われる沢庵和尚について考えをめぐらすことにします。ダイコンは古く中国を経て日本に伝わったものとされています。沢庵和尚は臨済宗の僧で今の兵庫県の北部の但馬(たじま)国の人だそうです。これはつまり、兵庫県が沢庵発祥の地ということでしょうか?たしかに兵庫県にあって城下町時代の町並みを残す出石(いずし)町は沢庵とひぼこのふるさとだそうです。

 臨済宗は禅宗の一派で日本では明庵栄西(みょうあんえいさい)が黄竜派の禅を伝えたのがその始まりだそうです。沢庵和尚の”庵”の由来は臨済宗にあるようです。しかしもちろん沢庵が黄色いのは”黄”竜派の禅にあるわけではありません。


 -2001/11/6




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