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やる気のインターフェース論


 インターネットはネットとネットをつなくネットワーク。インターシティは都市と都市をつなく列車。インターナショナルは国と国を結ぶ。そしてインターフェースは、顔(境界面)と顔をつなぐ。コンピューターとプリンターをつなくのがたとえばUSBという名のインターフェースで、我々が普段接しているのはUSBケーブルだ。

 それならば、やる気にもまたインターフェースがあるのではないか。やる気を湧かせるには、刺激と呼ばれる入力が必要で、さらに自己表現と呼ばれる出力が必要だ。それがなければやる気を出す意味がない。これはキー入力がなければコンピューターという処理装置が動かないのと同じ理屈だ。

 人間の場合、コンピュータとは違った使命がある。それは、古来からDNAに刻まれた、知られざるプログラムに書かれている。そこには、まず省エネに務めるように書かれている。ムダな努力をしないために、人間は怠惰に出来ている。エネルギーの消費を節約し来るべき日に備えなければならない。

 しかしいつまでも怠惰なままではなく、来るときが来れば自然にスイッチが入り動き出す。ところがこれは無意識の世界で統合的に処理・判断がなされるため、本人はどうなっているのか分からない。しかし、やる気が出てきた、といった持続的な気分によって、我が身の内面からやる気が湧いたことを知ることになる。

 褒められるという刺激的な入力によってやる気が湧く人は多い。一方、褒められたくらいで喜んで働くコンピューターは存在しないので、これはきわめて人間的な処理が為されていることを示している。褒めた人と自分を含む集団のなかで、自分が好意的に受け止められているという判断がなされたのだろう。これは自分の存在を肯定することになる。そしてDNAにとっても好ましき事件で、好循環を促すべく、やる気を沸き上がらせるのは当然なのかも知れない。

 「君にはやる気があるのか?」と言われるときがある。こう言われるとやる気がなくなる。この種の入力に反発したくなるのはどうしてなのだろうか?こんな事を言ってくれる人は自分より大人の人が多い。しかし、この言葉を肯定的に受け取るためには、言ってくれた大人より”大人”でなければならない。つまり言われた側のこっちは、言ってくれた人より高度な内部処理によってやる気を導き出さねばならないのだ。

 「君にはやる気があるのか?」と言う人には愛情が感じられない。まるで、やる気のない君たちはアホだ、と言っているように聞こえるからだ。やる気を沸き上がらせるためではなく、自らの優位を示そうとしての発言であることは見え見えだ。

 やる気のインターフェースは、入力側だけではなく出力側もあって初めて完結するため、自己表現の技を磨いてやる気の質を上げておくのも、我々に与えられたミッションであるに違いない。

-2005/12/8




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