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Game Developers Conference 2005現地レポート

「HD時代の到来」J.Allard氏が次世代ゲームのビジョンを語る

3月7日〜11日(現地時間) 開催

会場:Moscone West Convention Center

 Game Developers Conference 2005は、開催3日目となる本日より本格的なカンファレンスセッションが開始となった。また本日は、Microsoftバイスプレジデント兼XNAチーフアーキテクトであるJ.Allard氏の基調講演も開催された。ここでは、そのJ.Allard氏の基調講演の内容について紹介していこう。


■ HD時代のゲームは「高解像度」、「常時接続」、「パーソナライズ」がキーワード

 J.Allard氏は基調講演の冒頭で、今、今後のゲーム業界を変革する「3つの新しい欲求」が台頭していると指摘した。その3つの新しい欲求とは、「ハイデフィニッション(高解像度)」、「常時接続」、「パーソナライズ」である。

 Allard氏は、1年以上前にスポーツバーでスーパーボウルを楽しんだそうだが、そのスポーツバーではHDTVが設置され、ハイデフィニッションのスーパーボウル中継を見て大きな衝撃を受けたそうだ。一度でもハイデフィニッションかつ16:9の画面を見てしまうと、ノーマル解像度かつ4:3の画面には戻れない。こういった傾向が、現在の消費者の間でおきつつある。これが第1の欲求だ。

 また「今時の子供たちは携帯電話を持ち、喫茶店を選ぶ場合でもホットスポットの有無で決めます。彼らは常に誰かとつながっているのです。また私たちも、携帯電話やメール、インスタントメッセンジャー、ブログなどでいつでもコンタクトを取れる手段を確保しています」と語りつつ、現在の消費者が常時接続に対する強い欲求を持っていると指摘。これが第2の欲求。

 さらに、「今時の若者は、新車よりも、お母さんのお下がりの車に強力なAVシステムを搭載したり、個性的な塗装をしたりする方を好んでいます。また子供も、自分だけのオリジナルジーンズをほしがっているのです」とも指摘した。現在の若者は個性化(パーソナライズ)を重視している。これが第3の欲求だ。

 Arrard氏は、消費者に「ハイデフィニッション」、「常時接続」、「パーソナライズ」という3つの欲求が台頭してくる世代を「HD時代」と名付け、今がHD時代へと入っていく節目であると指摘。その節目の時期であるからこそ、ゲームにHD時代の中心を担う産業に成長できる機会が与えられている。そして、その機会を逃さないためには、これら3つの欲求を取り入れ、消費者が要求する魅力的なコンテンツを提供することが、これからのゲーム業界の課題となると語った。

 では、HD時代はゲームはどういった姿になるのか。それについてAllard氏は、現世代を「3D時代」として、いくつかの部分についての対比を示した。オンラインは3D時代では目新しいものという存在だったのが、HD時代には不可欠のものとなる。3D時代では全てのユーザーが同じ始まりで同じ経過を辿り同じ結末を迎えていたのが、HD時代ではプレーヤーオリジナルのストーリーが個別に展開されることになる。3D時代ではネットワークやコントローラが全てワイヤードだったものがHD時代は全てワイヤレスになる。3D時代ではマルチプレーヤーだったものがHD時代ではマルチプラットフォームになる。そして当然だが、HD時代ではハイデフィニッションかつ16:9での表示が標準となる。そして、こういった変革によって消費者にこれまでにないエキサイティングな体験を提供することで、ゲームがHD時代の中心的な産業となり、業界の規模を拡大する千載一遇のチャンスなのであるとArrard氏は語る。

Microsoftコーポレートバイスプレジデント兼チーフXNAアーキテクトのJ.Allard氏。いつも通り熱の入った公演だったが、言葉の端々に確信とも取れる強気のコメントが見られた 注目度の高い基調講演だけあり、会場にはあふれんばかりの来場者(もちろんほぼ全てがゲーム開発者)が集まった HD時代のキーワードその1「ハイデフィニッション」。HDクオリティで16:9のアスペクト比が基本となる
HD時代のキーワードその2「常時接続」。ネットワークへの常時接続が不可欠となる HD時代のキーワードその3「パーソナライズ」。プレーヤーそれぞれが固有のシナリオでゲームを楽しめるようになる 現世代(3D時代)と次世代(HD時代)との対比。HD時代では夢のようなゲーム環境が羅列されている


■ コンソールプラットフォームがHD時代のコンテンツのカギとなる

 もちろん、次世代のゲーム機が登場するだけでは、HD時代にゲームビジネスが中核にはなれない。また、先に語ったHD時代のゲームの姿も、ハードウェアが登場しただけで容易に実現できるものでもない。ハードウェアである次世代ゲーム機に加え、ソフトウェアとサービスの3つの要素が融合して、大きなコンソールプラットフォームが形成されることが成功に不可欠であるとArrard氏は指摘する。

 ソフトウェアとしては、昨年のGDCで発表された「XNA」があてはまる。現在までに3,000を超えるXNAベースのXenon開発キット(Xneonは次世代Xboxの開発コードネーム)を配布しており、さらに9日に発表された、「Microsoft Visual Studio 2005 Team System」ベースの開発キットである「XNA Studio」を用意することで、HD時代で非常に複雑かつ規模が肥大化するゲーム開発の生産性を大幅に向上させるとしている。

 ハードウェアは、もちろん次世代Xboxのことを指している。今回の基調講演では、「E3までは詳細はお話しできません」と語り、次世代Xboxの具体的な仕様を細かに説明することはなかった。とはいえ、IBMとATIとの共同で開発されていること、さらにマルチコアシステムであること、そのパフォーマンスは驚異的であることなどが語られた。また、次世代Xboxの開発コンセプトとして、バランスが取れていてパワーがあり、余裕があり、親しみやすいもの、というものも示された。

 サービスでは、プレーヤーとプレーヤーとの接続だけでなく、開発者とプレーヤーとの接続もできるようにし、簡単なオンライン取引も実現が予定されているそうだ。そして、その考え方によりXbox Liveを発展させた、次世代のXbox Liveサービスの提供が示された。この次世代Xbox Liveサービスとして、基調講演では「ゲーマーカード」、「マーケットプレイス」、「マイクロトランザクション」、「カスタムプレイリスト」という4つの新しい機能が発表された(詳細は後述)。また、Xbox Liveも、より使いやすくするためにユーザーインターフェイスを全てのゲームで統一化することが予定されているそうだ。  これらソフトウェア・ハードウェア・サービスがバランス良く融合したコンソールプラットフォームを作り上げることが次世代Xboxの世代での目標であり、それに対して様々な努力がおこなわれているとArrard氏は指摘した。

 ところで、ここで強調されたのが、「HD時代ではプロセッサよりもコンソールプラットフォームがより大きな役割を担う」というものだ。これは、強力なプロセッサであるCellを前面に押し出すソニー陣営への強烈なけん制と言っていいだろう。Arrard氏の発言には、名前こそ出さなかったものの、「科学的なアプローチではゲームプログラマにフラストレーションを与えるだけだ」という言葉などから、Cellに対する対抗意識が強く感じられた。

 基調講演の最後でArrard氏は、「次世代Xboxのコンソールプラットフォームによって、ゲームがHD時代の中心に位置し、現在の2倍以上のゲームプレイ人口が獲得できるでしょう。2004年に販売されたゲームのベストセールスは500万ユニットほどでした。しかし私たちは、HD時代では2,000万ユニットを売る初のタイトルが出てくるようにデザインしています。HD時代では、世界中で何百万というプレーヤーがゲームを楽しむために集まってくるでしょう。そして、その何百万のプレーヤーに、“今日はゲームをプレイしたかい?”という質問をしたら、“Yes”という答えが返ってくるはずです」と語った。これはかなり強気な予測のようにも思うが、これはArrard氏が次世代Xboxに対して強い意志を持っているとともに、現状で楽観できるような材料が揃ってきているからだろう。今回の基調講演での内容が全て実現されるようであれば、次世代Xboxの未来はかなり明るいと言っていいかもしれない。少なくとも、会場に集まっていた開発者達をそういった気分にさせるには十分な内容だったように思う。

HD時代では、ハード・ソフト・サービスがバランス良く融合した「コンソールプラットフォーム」が重要なカギとなる 次世代Xboxでは、ソフトウェアとしては「NXA Studio」などによって、肥大化するHD時代のゲーム開発を効率よく行えるようにしたり、Windowsとのマルチプラットフォームの実現も実現される
ハードウェアの詳細は発表されなかったが、その開発コンセプトは示された サービスは、プレーヤー間だけでなく開発者との間でコミュニケーションがとれたり、オンライン取引などが実現される


■ 次世代Xboxの仕様や新サービスの一部が明らかに

 今回の基調講演では、次世代Xboxの仕様や、次世代Xbox向けに提供される新サービスがいくつか明らかになった。  まず、新サービスとしては、先ほど紹介した、「ゲーマーカード」、「マーケットプレイス」、「マイクロトランザクション」、「カスタムプレイリスト」の4つのサービスだ。  「ゲーマーカード」は、プレーヤーがどういったゲームのスキルを持ち、どのゲーマーゾーンに属しているのか、といった情報が簡単に入手できる機能だ。この機能を活用すれば、同じゲームが好きで同じゲームスキルを持つプレーヤーを簡単に見つけ出すことができる。

 「マーケットプレイス」は、追加シナリオや新マップ、新しい乗り物、新しいカラーリングなどといった、ゲームコンテンツを購入できるサービスだ。また、それに絡むサービスが「マイクロトランザクション」だ。これは、オンライン取引を簡単に行なえるようにするためのサービスで、追加コンテンツの購入はもちろん、プレーヤーやプレーヤーコミュニティが独自に制作したコンテンツをマーケットプレイスに出品して販売すると言ったことも可能となっている。

 「カスタムプレイリスト」は、ゲーム中の音楽をプレーヤーが自由に選択して再生できる機能だ。このカスタムプレイリスト機能によって、ゲーム側では音楽を再生するためのプログラムが不要となるだけでなく、次世代Xboxのゲームでは、どのゲームをプレイする場合でも好きな音楽を再生しながらプレイできるようになる。そしてその音楽はオンラインによって配信して再生させることも可能となっている。

 これら新サービスは、会場で「Forza Motorsport」(Forza Motorsportは次世代Xbox用タイトルではなく、今回はデモとして利用されただけだろう)を利用して実際に実演して見せつつ、今年中に全てを実現するとAllard氏は断言。その発言から、会場で見せたデモは、実際にXbox Live上で実現されているものを利用していたものと思われる。

 また、次世代Xboxのハードウェア仕様も、Allard氏の話から多少見えてきた。基本的には概念的な話題が中心ではあったものの、例えば、マルチコアシステムであるということははっきりと語られたし、「3D時代ではネットワークやコントローラが全てワイヤードだったものがHD時代は全てワイヤレスになる」というコメントからは、ネットワークおよびコントローラがワイヤレスになると考えていいだろう。また、「HD時代ではハイデフィニッションかつ16:9での表示が標準」という点もポイントだ。

 基調公演中でAllard氏も指摘したように、次世代Xboxの詳細が発表されるのはE3で間違いないだろう。基調講演で明るい未来をしゃべるのは当然なのだが、今回のArrard氏の言葉からは、これまでとは異なる、確信に近い感覚を覚えた。とにかく、期待を持って次世代Xboxの発表を待ちたいと思う。

次世代Xboxで実現されるサービスとして発表された「Xbox Guide」。プレーヤー間のコミュニケーションの効率化やコンテンツの取引などが実現される 画面左にこのようなインターフェイスで新機能にアクセスできるようになる。ユーザーインターフェイスは、ゲームに関係なく統一されることになるようだ
ゲーマーカードでは、プレーヤーのゲームスキルやプレイしているゲームなどが詳細にわかるようになり、対戦相手を見つけやすくなる マーケットプレイスで、ゲームコンテンツを購入しダウンロードできる。またマイクロトランザクションを利用すれば、プレーヤーが作成したコンテンツを売ることも可能。RMTをメーカー公認で実現するようなものか!? カスタムプレイリストにより、次世代Xboxの全てのゲームでプレイ中の音楽を自由に設定可能となる


【Xbox Guideの適用例】



□Game Developers Conference(英語)のホームページ
http://www.gdconf.com/
□Game Developers Conference(日本語)のホームページ
http://japan.gdconf.com/
□Xboxのホームページ
http://www.xbox.com/ja-JP/
□関連情報
【3月10日】Microsoft、次世代Xboxの仕様「次世代Xboxガイド」を公開
ネットワークに接続し、マーケットとも連動
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20050310/xbox.htm

(2005年3月10日)

[Reported by 平澤寿康]


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