ガザの入植者母子5人射殺
パレスチナ自治区ガザ中部の道路で2日、走行中の車にパレスチナ人の武装集団が発砲し、イスラエル軍によると、車に乗っていたユダヤ人入植者の子供4人とその母親の計5人が死亡した。軍が応戦し、武装集団の2人を射殺した。
イスラム原理主義組織イスラム聖戦とパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ系の過激派組織「民衆抵抗委員会」が事件後、ガザの記者複数に電話で犯行声明を出した。
声明は動機について、イスラエルが今年3月22日にイスラム原理主義組織ハマスの創始者ヤシン師を殺害、さらに4月17日には後継者のランティシ氏を殺害するなどの「犯罪」を行ったことへの報復だとしている。
ガザからの情報によると、イスラエル軍の攻撃ヘリコプターは2日、ガザ市内の14階建てのビルの最上階部分をミサイルで空爆した。建物にはハマスのラジオ局が入っているという。負傷者が出ているもよう。入植者家族射殺に対する報復の可能性が大きいとみられる。
イスラエル放送によると、射殺されたのは2歳から12歳までの女児4人と妊娠8カ月の母親(34)。ロイター通信によると、ガザで入植者が殺害される事件は過去1年ほどなかった。ヤシン師殺害から40日間のイスラム教の服喪期間が明けたばかりだった。
事件を起こした武装集団は軍車両に対しても爆弾を爆発させるなどして攻撃を仕掛け、兵士数人が負傷した。
殺された母子は、シャロン・イスラエル首相の与党リクードが2日実施したガザ撤退案の是非を問う党員投票への反対デモに向かう途中だったという。
イスラエル治安当局は投票所などを狙ったテロを警戒し、各地で厳戒態勢を敷いていた。(共同)
[2004/5/3/01:51]
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